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12/11/2009

とぅいってるっ〜Twitter〜てなあに?


Twitter人口が随分増えて来た様ですね。
ではイタリアでは…

「Twitterやってる?と試しに誰かに聞いてみましょう。
「え?何?」
「T・W・I・T・T・E・R ツイッターだよ。」
「とぅいってるっ?なにそれ??」
「…」

思うに8割以上こんな返事が返って来るのではないでしょうか。
普及してない…というかSMS(ショートメッセージ)が普及してる
からそれで済む、イタリア語版を出す必要性を感じる人がいない、
そして…
つぶやくのになれてない…
独り言も一人で言わない…
スーパーで買い物してても知らない人から
「これちょっと品切れ?こまったわよねぇ?」
とか話しかけて来たり
オモチャの前で泣き叫ぶ子供のパパが、
「あれはまだ彼の歳じゃ使えないよ。ね?」と
突然同意を求めて来たりする事もしばしばある…
そんな国民性もあるのかな。

(※写真は日本最初の携帯電話!一時帰国した際にNTTdocomoR&Dセンターを見学しパチリ。
 昔はこんなの担いでたのね…コミュニケーションツールの進化には目覚ましいものがあります。)

ともかくそんなイタリアですが、Facebookは数年前に爆発的に広まりました。
若者から中高年まで、なぜかがんばってプロフィール登録!友人知人に招待メールを送りまくっているようでした。
友達のつながりが一目瞭然で確認出来るのが面白い事、そして有名人、特にイタリア首相Silvio Berlusconiなど
も登録があり(今見ると何件もありすぎて本当かどうだかは定かではない)、皆いやがってたりする割にはどっかで
繋がってるかしらと興味津々。
Facebookをつかった嫌がらせなどもあり最近は問題になったりもしているようですが、ともかく
友達とつながってるっていう意識が国民性にマッチしていたのかもしれません。

やっぱり本場はアメリカなのね

先日、アメリカに旅立って行った友人の神父様にたまには手紙を出そうと思い、宣教先の本部をネットで検索。
すぐにホームページを発見。便利な世の中です。
宣教会だから地味なページと思い込んでいた矢先、見ると…なかなか素晴らしい。
思い込んでてごめんなさい!…と謝りたいので紹介したいと思います。
素晴らしいといってもデザインとか機能性とかそういう事ではなく…とりあえずリンクします。
興味があったら見てください。

このページ↓(PIME Missionaries カトリックの宣教会です。)
http://www.pimeusa.org/contactus.html

Connect with PIME
facebook, Wordpress Blog, Twitter, YouTube, 4marks 

ホームページ自体は全てのページがほぼスクロールなしで見られる程簡潔。
でもさらに見たい人は自分が使っている、使い慣れているコミュニケーションツールで
この宣教会の活動を
確認したり、コンタクトを取ったりする事ができるという。


カトリックの国イタリアなのでこちらでは問題ないのですが、日本だと宗教関連をあまり書いてしまうのも
色々よろしくないかと思うので内容などは書きませんが、大変シンプルでありながらコンタクトはとても
取りやすい、どう考えても「どこに連絡すればいいんでしょうか?」という問合せはないであろうという
ホームページ本来の目的をしっかりはたしたページ。
ついつい目を引くデザインとか、フラッシュとかいんたらくてぃぶ〜とか考えて
かっこよすぎて何処をクリックしたら会社概要や連絡先が出て来るのか謎だったり、
技ありで軽くしたといってもやっぱり重いページを作っちゃったりしがちなWebデザイン。
原点+α で、生きたページにするには、これぐらいマメに見えないけどマメな配慮、外部ツールの使いこなしを
しとくべきなんでしょうね。お見それしました。

  Twitterもfacebookもそういえばアメリカ発ですものね。
  こういう事はさすがだわアメリカ…。

そんな事を言ってる割に私たちは…

エイクエントさんのメルマガ、“エイクエント クリエイターズマガジン”、最近は担当の宮崎さんの
Twitter関連のお話が多く、質問受付Twitter経由のみのシンポジウムの話題などもあり、
ふーむ
Twitterねぇ〜と思いつつ見ておりました。

興味本位でアカウントを取ってみたものの、つぶやく行為に慣れなくて放置…
していたところ、随分ご無沙汰をしていたreset-N脚本家の夏井さん(宣伝になるから名前載せます)
からフォローが来ました。メールアドレス変えたのになんでだ?と思った所
どうやら色んな角度からフォロー検索が出来る様で…。そういえばmixiの時も
招待メール来てたな(これも面倒で…登録するも放置抹消。)と、新しい時代物を
どんどん使いこなせる人はすごいわと感心。

真似してユーザー検索をしてみた所、おっ、イタリア人の知り合いにもヒットしました!
建築やっている人やクリエイティブ系の方はとりあえず試しているようです。
しかし…全員写真登録をしていない…と言う事は…
やっぱりイタリアでは
Twitter、まだまだですね〜。(と、自分の事はこの際棚にあげてしまいましょう。)



12/09/2009

何者?!


寒くなってきましたね。
うちの近くの山も、そろそろ雪化粧。

こちらイタリアでもインフルエンザの
予防接種、けっこう皆さん受られるようで、
かかりつけのお医者さんの診察所の待合室
はいつも満員御礼。
予防接種を促すテレビコマーシャルに、
こちらではトッポジージョが登場。
政府も力入れてます(?!)しかし、
日々の報道や注目度からいって、ジージョ様
があえて呼びかけなくてもワクチンは
どんどん不足していってるようです…が。

景気回復といいつつも、クリスマス商戦もいまひとつ振るわない感があり、寒い話題が
多い今日この頃。寒い中で懐よりもお腹が寒い思いをしているファミリーが、私たちの近所に居る事が先日発覚!



安かったのでよしよしと一箱購入したみかん。
置き場所に困って寒いベランダにとりあえず放置。

日々結構な勢いでなくなっているので、うちの家族は
ちゃんとビタミン摂取しているなぁと思っていたところ…

小さく、器用にくるんと細かくむかれたみかんの皮が
雨戸の隙間に散乱… 何者!!

そういえば、少し前から
明け方に屋根をととととっと走る音がしてました。
階下のネコにしてはずいぶん身軽だと思ってたけど…

私たちの今の住まいは(勿論賃貸です)屋根裏部屋を
改良したスペースです。屋根裏とは、貧乏アーティスト
に大変ぴったりなシチュエーション。イタリアではmansardaと言い、好んで使う人もいればやっぱり狭いと
いやがる人もいるお部屋。しかし3部屋にキッチン、バスルームと結構充実。十分暮らせます。
そんな部屋だから屋根でガタガタ何かが動けば、ものすごく良く聞こえるのです。

さて、その“何者”、姿は確認できませんでしたが、どうやらリスの仕業。リスが出る家なんて
この歳になるまで住んだ事ありませんでした!
へぇ〜と思いながら、残った6つのみかんも放置。毎晩ひとつづつ、律儀にきれいに持って行かれました。

今は、また何か置いてあげるべきか…悩んでおります。
この寒空に空腹はリスも辛かろう。と。

…リスでない他のケダモノだったら…どうしよう…ぞぞっ。

11/20/2009

イタリアの祝日と請求書が届かない理由 其の弐

請求書の一件、実はこんなことが…

おくれにおくれた請求書、一体なぜ?

私たちが今回のお仕事をお願いしたのは、印刷所のおカシラ、つまり社長さんの
位置にある方でしたので、見積もりも彼しか出す事ができませんでした。
そしてなぜおくれたかの見解…

実は休暇明けに近い親族のご不幸があり、
更に数日後他の近い親族が入院、
そして数日後、また全く予期せぬ親族のご不幸が…。
(20代と若い親戚の男性、書棚の整理をしていた時に乗っていた梯子が倒れ、
 不運にも開いていた近くの窓から外に放り出されたとか!
 イタリアの古いお家は天井が高く、壁一面おしゃれな本棚や収納に
 なっているお家も良く見かけます。同じく窓も大きく、バルコニー
 は車道に面していたりすると小さいか柵があるだけという所も。)

驚きました。簡単に電話でご本人は語られたのですが、
実際はどんなにショックでしかし忙しく何も出来ない数週間を過ごされたのかと。

日本だったらどうだったかなぁ?

日本では有給休暇取りにくいって11月の
“其の壱”の記事に書きました。
親が危篤でもプロは仕事を休まないなんて話も
聞いた事があります。責任感の問題ですかね?
特に個人事業主は考える問題なのかもしれません。
ともあれ、日本で働いていた時は、
「人に許しを請う」事を恐れていました。
許してと言う前に「すみません!」っと先手を打った事もしばしば。
でも、自分の判断で正しい事をした場合は
“許してもらう”必要って実際はないんですよね。
理由がある。
説明して納得してもらうというのは、
許しを請うとは違う。


(写真はミラノのショーウィンドウ。もうクリスマス商戦真っただ中!クリスマス休暇は勿論あって当たり前の休暇でございます。)

人に迷惑をかけては(特に仕事先なんて自分にはねかえってきますから)いけないのは当たりまえなのですが、
“君がこれを今日ここまでにやらなくては駄目”という仕事でも、チームワークやフォローで抜け道があるときもあります。
理由を言って納得してもらう確率は、実際イタリアも日本も同じかもしれないと思うのですが
日本では、理由を言う=許しを請う=恥をかく(あえて書いてみると嫌な構図です。)
という感じで、おおいにそれを避けていたので、相手の反応を見る機会を逃していたかもしれません。

よく外国人はごめんと言わない。という話を聞きます。
その通りだと思うのですが、ごめんを言わないかわりに“理由”をどんどん言って相手を納得(許してもらう)
させているのは日常よく目にします。潔くないといったらそれまでですが、その方が良い場合も。

また、“ボクのせいじゃない”という言葉もよく耳にします。
これはまだちょっと慣れません。日本じゃ子供以外からは滅多に聞かないフレーズでしたので!!!

さて、請求書の件は、その社長のお話を聞いてみな納得。逆に同情、機会があったら
皆さんのためにお祈りをしましょうという感じで一件落着でした。

さて、こんな事があった場合、
みなさんは次回の発注も問題なく同じ印刷屋さんに頼みますか?

11/06/2009

イタリアの祝日と請求書が届かない理由 其の壱


11月1日は諸聖人の日で、イタリアでは祝日となる。
しかし今年その日は日曜日にあたってしまったので、
どうかしら?と思ったら、学校に勤めている夫は翌日お休みしていた。
どうやら振替休日になるらしいねっと思い、聞いてみると
“2日も死者の日だから休みじゃなかったっけ?”と言う。

死者の日は日本で言う所のお盆のようなものなので、
先祖のお墓参りが欠かせない。
先週近所の墓地の近くを車で通ったら、案の定、
少々渋滞していました。
しかし、近所の商店もスーパーもすべて通常営業なので
あれっ?と思ったら、
休みなのは学校だけらしい。うーん。

(イタリアのお墓参りのお花も菊がメイン。でも写真の花は近所の公園で摘んだものですが…)

何だか良く解らなくなって来たので、イタリアの祝日を、もう一度見直そうと思い検索をしたら、
産経ニュースの【外信コラム】イタリア便りの2009年1月の記事が
ヒットした。
記者の署名が、イタリアの文法を日本語で学んだ人は必ず持っている
現代イタリア文法”の坂本鉄男先生でまず驚く。
読んでみてまたビックリした。日本の祝日がイタリアのそれの倍以上あり、
タイトルはダイレクトに“怠け者の国?日本”となっている。
イタリア人は長期のバカンスを取ることで、何だか日本人にうらやましがられて
いる感がするのだが、それは有給休暇の正当な消費だからという事で関係なし。
祝日を制度で増やし、国が国民を怠け者にしたのだという締めくくり。
むむっ。私の回りには祝日もフル活動してる日本人が多いので、怠け者と言われて
もあまりピンと来ませんが。特にフリーで働いてる人は、カレンダーはあまり
関係ないので、イタリア人も日本人も家族サービスを除いて、自分の時間を
割いて内職したりしています。各家族の経済状況の違いも勿論あると思いますが…。

なぜ来ない?請求書

性格の違いというのもあるといえばある、有給休暇、病欠の取り方。
日本って何だかこれが取りにくくって、体調悪くても健康ドリンクで風邪薬を
流し込み、無理に会社に行って風邪をこじらせたりする人多くないでしょうか?
(私はこれでこじらせないで、治っちゃう幸運な体力の持ち主でしたが…)
祝日が減ってもいいから、病気の時は必ず休む法律を作った方が良い様な
気もしちゃいます。
イタリア人は結構ちゃんと休養する人多いですよ。言うなれば当然の権利なので。
所で、自己都合ってどこまで許されるのでしょう…

先日入稿を終え、印刷もあがって来たので、もうそのお仕事は記憶から
消しかかっていた所、一本の電話が。
“印刷の請求書が何度連絡してもまだ届かない!”
納品先からのこんなご連絡。素晴らしく丁寧にそして慎重に
仕事の出来る方なので、この電話の前にメールを入れ、電話を何度か入れ、
さらに手紙まで送ったとか。でも来ない。
“届かないなら払わなくっていいって事にしちゃう?”
なんて言いながらも、そういう訳にも行かないので
相棒にも担当者に直接連絡をいれてもらう。
(イタリア語で深いやり取りをするには自信が…ないので
 えております。そのうちやらねばいけないのです…がっ)

担当者はつかまらず、事務のお姉さんに、
翌日には必ず送ると言う約束を取り付ける。 がっ…

翌日朝になっても請求書が入らない。
昼になっても入らない。
電話をするが担当者がつかまらない。 何が起こってるのか?

夕方やっと直接担当者(といっても印刷所のおカシラです)と連絡が
取れ、次の日やっとの事で請求書が届いた。 
納品書は来なくとも、請求書だけは結構しっかり届く事が多いのに
どういう事?今回がはじめての発注じゃないので、
見積もり飛ばした請求書だったので焦りましたが…

“やぁ〜聞いてよ!実はね…Mr.”と相棒。 …(続く)




10/25/2009

かの有名な詐欺に出会ってしまった。その弐

留学中の息子にパソコンを…

さて、オークションサイト、掲示板サイトを使ってはじめて中古パソコンを
売ろうとしている夫。届いたいくつかのメールの中には英語のメールもありました。
イタリアのサイトを使っているのでこりゃ意外だ!ちょっと見てみてっと
呼ばれてみてみると、〜イギリスで開業している医者です。イタリアに留学中の
息子のためにパソコンを探している。すぐに振り込むので振込先を教えてください。〜
という内容。
へぇ〜グローバルな世の中だねぇ〜!なんて言いながら即答はしませんで
他の反応を見るため一日放置。するとまた他の方からも英語のメールが…

留学中の息子にパソコンをプレゼントしたくて…

えっ?どっかで聞いたような話じゃ…?でもお医者様ではないようです。
さらにイタリア語のメールの中にも

留学している息子にパソコンを…知人にイタリア語でメールを書いてもらっています。

留学している息子にパソコンを…上乗せして払うので口座を教えてください。

エッ?そんなに世の中には海外にいる息子に中古パソコンを送りたい親が
いるのか?!
さすがに怪しいと思った夫。調べてみるとこれらのメール、どれも
ナイジェリアから届いているようです。
翌日帰宅すると開口一番 “ナイジェリアの詐欺グループがいるんだって!
返事しなくてよかったねぇ〜!”
技術を持ちながらも失業中でバイト感覚でネット詐欺に手を染める方や
他ほぼこれを生業としている方なんかもナイジェリアにはいるらしい?
日本語で “ ナイジェリア 詐欺 ” で検索をかけると、トップにWikipedia
のナイジェリアの手紙という項目がヒットしました。日本でも被害にあっている
方がいるのですね。やや、お互い気をつけましょうね。

こちらに住んでいると、アフリカ方面から移住しているファミリーや、
出稼ぎに来ている人など沢山いるので、アフリカのイメージが日本に
いた時からは随分変わって来ました。(当時は知識不足で、全般的に
貧しいと思い込んでいた)子連れで夫と出稼ぎに来ている…というアフリカの、
どこの地域かは忘れてしまったのですが主婦の方と、一度無料のパソコン
講座で一緒になった事があります。隣に座った時、空き時間にグーグル
マップで自宅を見せてくれたのですが…これがスゴい。プール付きの超でかい
真っ白な一戸建てのオアシスのような邸宅…。なんでこちらで狭い部屋に
家族で出稼ぎに来ているのか? 工場でスプレー缶の塗装か何かの仕事をして、
しかしマスクの装着が義務付けられていなくて工場主と掛け合ったが
相手にされず、やめたのよ。なんて話しもしていた彼女。やゃ、帰った方が
いいんじゃないか?外貨が必要なら旦那さんにせめてがんばってもらえば…
なんて余計な事を考えたり。
地図をひらくだけじゃわからない、テレビの編集された紀行番組なんかを
見てるだけじゃ計り知れない各国の事情、文化の違い、生き方や考え方の違いが
あるんだわとしみじみ思います。

財布の口が堅いぞ。イタリア人

さて、夫のPCはどうなったかというと
…まだ手元にございます。
沢山問合せが来ました。まだ来ています。が、
ほぼ全員が値引きを聞いてくるのです。
(ま、当たり前ですが)
値引きだけなら良いのですが、
“電気店の店頭で君のパソコンを見たんだけど、
新品とこれぐらいしか変わらないから100
ユーロはまけてよ”というしっかり者や、
“今手元に50ユーロしかないんだけどこれでどうかなぁ”
という適当な人もいてなかなか面白い。
「結構妥当な値段を付けてるんだけどね〜。」
と言いながら、こまめにお断りのメールを出し
たりしている夫。
もし妥当よりもちょっと高めに値段をつけて
みたら、どんな反応が帰って来るか、今様子
を見ている所だそうです。
市場の動向を探るのが結構楽しいようですが、
売りの時期を逃さないようにがんばっていた
だきたいですね。

※写真は売るPCではございません。
 赤ちゃんとパソコンというタイトルで写真を撮ってみようと試んだのですが、
 …いいカットが産まれる前にパソコンをぶっ壊されそうです。

10/20/2009

かの有名な詐欺に出会ってしまった。その壱


クリエイターと呼ばれる職業の方は、きっとネット環境の充実したオフィスや自宅でお仕事をされている人が多い事でしょう。
今やネットがあればそれだけで、買い物から郵便から何から何までかなりの事ができてしまう時代ですね〜。オークション、物々交換などもそのひとつ。今回はちょっと毛色が違うテーマなのですが、“おぉ〜自分たちにもこんな事が起こってしまうのかぁ!”という小さな事件があったので、お伝えしてみます!

中古車選びもインターネットで

新車ならばあのエコパスを購入せずともミラノ中心街に入れるけれど、ミラノ郊外に住む私達はそんな事気にせず“今”とりあえず使える車を探すわけです。予算に限りもございます。駐車スペースもございません。あてられたって、傷がついたって、そんなに気にしな〜い!長男は車内でバナナやヨーグルトをコボシまくるし…。そんな人たちが新車を持ってもしょーがないんです。
で、中古車。中古車販売店って仲介料が高かったり、何か怪しい経緯の車を素晴らしい話術で売りつけられちゃったりするからいやだという夫。信頼できる個人から直接購入する方がいい!と言う事で、初代カーも今の車もweb上の個人の販売情報であたりをつけ、連絡を取り合い、直接見に行って購入を決めました。
初代カーはブルーのスズキワゴン。今彼はわけあってドイツに居ます…(理由はまたいつか!)ピアチェンツアに住むアレッサンドロさんから購入しました。
奥さん用の車だったそうですが、病気のため一人で車に乗れなくなり、売る事を決めたとのお話。傷も少なく状態は大変良好!4WDで坂も楽々。何より販売者のお人柄が大変良かった(仕事の事等随分語って下さいました。一冊本が書けそう
な人生の方でした。)のが決め手で、即日即決。大変頑丈な車で、当てられたり擦ったり、色々ドラマがありましたが、私たちちっちゃな家族の命をしっかり守って2年間働いてくれました。

色々あって他国に置き去りのスズキさん。しかし保育園の送り迎えや買い物、仕事と車なしでは生きて行けない環境の私たち、夫は何と1日で次の車を見つけて購入してしまいました!!勿論そんなに急に資金調達なんて出来ませんから、格安でなるべく状態の良い中古車、なるべく居住地から近い販売者を探したとの事。

でもって、現在の私たちの車、白いスズキIGNISさんがやってきました。
今回の販売者はプロ(カーディーラー)でしたが、前方右の扉下にへこみと傷があるため店頭に置けない商品で、個人的に購入し使用していたとか。価格は約40万と激安。
後日走行中エンジン停止などのドラマがありましたが、ちっちゃい部品交換ひとつで済み、その後はよく働いてくれています。すっかり馴染みになった地元のスズキ販売店(兼整備工場)の店主も、十分走れる良い車だとお墨付き。
新車が買える身分になれば、整備工場と仲良くなることもないのでしょうし、ネットで何件か候補を出していちいちコンタクトを取ってみる面倒もないのでしょうが、“今”何かと物入りな私たちにはこれで、この方法で十分!*ちなみに写真は購入した新車ではありません…。

と、前置きが長くなりましたが、私たちの様に買う人があれば売る人もあり。インターネット上での物の取引がここイタリアでも頻繁に行われているのであります。

よく使われるサイトのメリット

二度の車の取引がなかなかいい具合に運んだのに味をしめ、今度は販売する側として、手始めに市場を探ろうとした夫。現在持っているhpのminibookを売って、他の新品PCを買う資金を増やすという目論み…。
さて、こちらの方がよく使うオークションサイトは言わずと知れた"ebay" (たまに会話の中で、たとえばオークションで良い本見つけたよ〜と言う時、“オトロバート ウン ベル リーブロ ス・イーベイ”と言ったりします。ス・イーベイが、su ebay(イーベイのサイト上で)という事になるのですが、私は随分長い事、サイトの名前が“すいべい”だと勘違いしておりました…)
そして、仕事や趣味、その他講座などの情報も交換できるkijiji(www.kijiji.it)他、annunci.net(http://www.annunci.net)やsecondamano.ithttp://www.secondamano.it)
などがあります。夫は幾つかのサイトを検討し、投稿して、反応を伺っていた様。
掲載の翌日から色々なメールが結構な件数入ってきましたよ!
しかし、その中にはちょっと不思議なものなどもあり… (長いので次回につづく)

9/23/2009

2009.09 ミラノで無料の美術館!

大変ご無沙汰をしております。STUDIOMIRROです。エイクエント、エージェントの宮崎さんにお約束してからすでに一ヶ月、いえ、二ヶ月近く時間が経ってしまいました。まとめてみると随分長く書かせていただいたんだなぁ〜と感慨深い“エイクエントクリエイターズブログ”。今後も月一回は(他お知らせなどもトントンとアップできれば。)必ずや、北イタリア周辺の情報、美術館、展覧会、デザイン、仕事、その他お得な情報もかきあつめて書いて行きたいと思います。

さて、復活第一弾はまたもや美術館情報。
近現代アート、デザインは興味ないし、ミラノはブレラとスフォルチェスコ城を見れば十分!なんて思っている方、勿体ない!ここは一押しです!

市に寄付された邸宅!隠された逸品達。

その美術館は、かつて貴族の邸宅であったVILLA REALE (Villa Belgiojoso)の内部を公開したもので、Galleria d'arte modernaと言います。地下鉄Palestro駅から歩いて一分(ポルタ・ヴェネチアからイドロ・モンタネッリ公園を突っ切って行っても10分以内。いいお散歩コースです。)という位置にありながら、いつもそれほど来館者のいない、超穴場。私に言わせれば超勿体ない!なんでもっと観光用に宣伝しないのか不思議な美術館。長らく整備をしていて一昨年(でしたでしょうか?)に公開を始めたのですが、その時に新聞記事で告知がされたっきり(多分)。隣には、同じ邸宅を利用し、79年に修復を終え開館したPACという現代美術館があるので、中庭等を使って企画展を行ったりもしている様ですがしかし…開館当初は人で溢れていたのですが、今は、特に平日昼間はガラッガラに空いています。

なんでそんなに勿体ないっと言うか…。それはその収蔵品の幅広さと貴重さにあります。

まず入口を入ってすぐに目に飛び込むのはアンドレア・アッピアーニ(Andrea Appiani)の彫刻と緻密なデッサン。
「おっ、カノーヴァもあるよ!」っという相方の声に振り向くと、アントニオ・カノーヴァ(Antonio Canova)も数点。学生時代に写真でその作品を見て、あんまりきれいなので、海から出て来た古代彫刻だと勝手に想像していた私。こんな風にイタリアではあちこちに点在しているのですね。

2階3階にこれまたびっくり。

ちょっと見るつもりで入っても、半日はたちどころに過ぎてしまう広さの豪邸。
駆け足で見たい心をそそるような画家名、作品名を書いてみます。

Giuseppe Pellizza da Volpedo - Il quarto Stato
ジョゼッペ・ペリッツァ・ダ・ ヴォルペード(1868-1907)が描いた、「Il Quarto Stato(第4階層)」

↑Giuseppe Pellizza da Volpedアソシエーションのホームページに画像があります。上の画像はwikipediaから。
てっきりブレラ美術館に展示されているものとなぜか思い込んでおりましたが
実はここにあるのです。ブレラにあるのははエスキースだそうで。これは2階のXXX部屋にあります。

1階は'700、2階は'800の作品を中心に展示してあるとの事、イタリアで1800年代と言えば
Giovanni Segantini(ジョヴァンニ・セガンティーニ、1858-1899)。ここにはセガンティーニがたくさんあるのです!
↑大学時代に使った西洋美術史の教科書に載っていた作品は、これだったと思う。ここで出会うとは…。
XXVIII部屋はセガンティーニの部屋。驚きです。
XIIにはFrancesco Hayez(フランチェスコ・ハイエツ)のこれまた本やネットで見かけた事のある作品が。思わずハイエツ作のマンゾーニの肖像の前で写真を一枚。写真撮影もフラッシュなしならOKだそうです。これまた嬉しいですね。

XXVIIにはMedardo Rosso(メダルド・ロッソ)の特徴的なロウで作った彫刻が!
XVIIは大きなシャンデリアとアッピアーニの天井画がある部屋。多くの作品を詰め込んだ後に、こんな空間が現れると息抜きにもなります。
椅子が鏡のキューブになっているのは天井画をよく見せるためでしょうか?キラキラ光るものに囲まれ、うちの長男も大喜びでした。

3階には1956年にミラノ市に寄贈されたというGrassi(カルロ・グラッシ)コレクションが展示されています。
特筆すべきはイタリア未来派絵画。Giacomo Balla(ジャコモ・バッラ、1871-1958)、Umberto Boccioni(ウンベルト・ボッチョーニ、1882-1916)などの作品が見られます。更に日本人も大好きなヴァン・ゴッホやポール・ゴーギャン、19〜20世紀の奇異な画家アンソールまで何気なくあるのでビックリ。中国のアンティークからフランス印象派、タブローから版画まで幅広いコレクションを堪能できます。
子連れだったので、2階でも3階でも、監視員の方に“庭が公園になっているから、帰りに寄ってみれば?彼(長男を指して)にはきっとそっちの方が楽しいかもね!”と声をかけられました。確かに窓から外を見ると美しい緑が目下に広がっています。立ち寄ってみるとミラノで今まで訪れたどの公園よりもきれいな、手入れされた芝が広がり(犬の散歩は禁止)、いい具合にベンチが配置され、近くにお勤めの方のお弁当スポット、子連れ家族のピクニックスポットになっているようでした。小さな滑り台やブランコ、そして池にはガチョウや白鳥などの水鳥や巨大な鯉もいます。鳥にエサを投げる事を最近覚えた長男は、大喜びでちぎったパンを次々と投げ…てもほとんどが足下に落ちるので多くは池まで届かず、喜ぶ鳥は鳩のみでしたが…。

こんなに沢山絵画鑑賞ができた上にくつろぎスポットまであるVILLA REALE。何より無料!こりゃ行かなきゃ損ですね。
ちなみに同じ建物内に、馬をモチーフとした彫刻で日本でもよく知られているMarino Marini (マリノ・マリーニ)の美術館が併設されています。今回は見る事が出来ませんでしたが、次回はぜひ、お弁当を持ってまた訪れてみたいと思います。

ミラノ市主催の美術館ホームページ

4/01/2009

2009.04 国境の美術館

国境の美術館 マックス・ミュージアム・その壱 

日本語記事は、http://blogs.aquent.com !

MUSEO DELLA ZONA DI CONFINE - m.a.x.museo2/2

 

Giocattoli didattici…cosi si chiamano. provando a giocare con questi giocattoli di legno, non sono riuscita a capire subito come si gioca. Ma toccandoli tante volte piano piano mi viene l’idea del gioco. Forse questo è grande merito del giocattolo di legno?! Tu giochi con loro giocando prima trovi come si gioca poi sviluppando la tua idea, ti viene ancora voglia di giocare tante volte con loro. Comunque in quel momento mi sono concentrata nella ricerca del gioco, prendevo i giocattoli uno per uno, giravo combinavo con un altro pezzo…a un certo punto ho sentito qualcuno che mi chiamava…erano mio marito e il mio piccolo! Anche loro giocavano tantissimo ma quasi distruggendo un giocattolo di canna da pesca! Hanno girato il mulinello nel verso contrario e la sua lenza un po’ si è impigliata tra il mulinello e la canna. Sistemandolo ho visto che il mio piccolo quasi metteva un altro gioco nella bocca sbavando… accidenti!… vuol dire che il modo di giocare è diverso in ogni età.

Nella mostra permanente si possono ammirare i tanti capolavori (ancora adesso sentirai la sua sensibilità originale) di Max Huber e le foto documentarie. Anche c’ è una sala dove è stato ricostruito il suo studio in cui si può sentire realisticamente come sono nati migliaia di capolavori. Se sei proprio una persona fortunata, potrai incontrare e sentire la sig.ra Aoi Huber che è fondatrice del museo e figlia del famoso graphic designerTakashi Kono. Comunque qui si trova l’ambiente perfetto per conoscere il mondo di un grande designer.

Da Milano a Chiasso si può arrivare facilimente con il treno. Questa primavera, se venite a Milano per vedere il Salone del Mobile, se trovate un po’ di tempo, senza pensare troppo andate a Chiasso!

3/01/2009

2009.03 国境の美術館


国境の美術館 マックス・ミュージアム・その壱 

日本語記事は、http://blogs.aquent.com !

MUSEO DELLA ZONA DI CONFINE - m.a.x.museo1/2 (il nostro sogetto che è si trova in svizzera italiana. quindi sta volta scrivo anche l'italiano)

 

Viaggiando qualche volta i paesi in cui abbastanza vicini a noi, abbiamo scoperto alcuni musei interessanti che esistono proprio nella zona di confine. Per questa scoperta, scriviamo un po' di volte sui Musei della Zona di Confine!

Per il primo vi informerei di un museo che se sei un designer, non puoi perdere: è il m.a.x museo a Chiasso in Svizzera. E' il museo di un famoso designer (come un simbolo del 20mo secolo) Max Huber, qui si possono vedere i suoi lavori e si può conoscere la sua vita. L'edificio del museo è molto semplice e riconoscibile. è pulitissimo, bianco e rettangolare. Davanti vi è un spazio bianco, bianco di cemento, tutti questi elementi fanno risaltare ancora di più i colori del logo di max sulla porta di ingresso.

Questa volta siamo venuti con il nostro bimbo di 11 mesi per vedere la mostra "Collezione di Giocattoli", è una esposizione dei giocattoli artistici di legno. E' veramente meravigliosa la quantità di variazioni che esistono! Ognuno giocattolo ha diversi disegni o movimenti o modo di giocare mantenendo sicuramente il vantaggio (tenero, caldo, colore ecc)del materiale, come se fosse una piccola architettura. Nell’atrio ci sono i giocattoli che si possono prendere per giocare liberamente, anche noi naturalmente ci giochiamo!....ma...

2/01/2009

2009.02 レオナルドのエコ・ムゼオ

夢の完全エコ

“100人乗車可、騒音ナシ、燃料費ゼロ!”現在の不況+エコブームの世の中にそんな乗り物があったら大ヒット間違いなし。でもそんな都合の良い乗り物なんてあるはずが…あるっ!それもおよそ500年前に考案された乗り物で、今も実際に使われているのです。※但し水路限定でございます…。

 地元の足として活躍、500年前のアイデア

 イタリア・ルネッサンス期の巨匠レオナルド・ダ・ヴィンチ。最後の晩餐やモナリザ、日本でも2007年上野国立博物館で公開され50万人以上の来場客を呼んだ受胎告知など、画家としての顔が良く知られています。それ以外にも万能の天才と呼ばれるとおり、絵画の他、建築、土木(都市計画そのもの)、科学に天文学などとにかくどんな分野にも精通していた大天才、今デザインや建築を生業としている世界のクリエイター、アーティストにとっては大大大先輩といった所。ミラノにはダ・ヴィンチの博物館がありますので、機会があったらたっぷり時間をかけて(時間がないと全室に目を通しきれない!時間があっても全ては無理です…)まわってみる事をお勧めします。さて、冒頭に書いた夢の乗り物の考案者はこのダ・ヴィンチ。ここロンバルディア州を渡るアッダ川に、ダ・ヴィンチが設計した舟が今も走っているのです!
 さて肝心の舟ですが、Traghetto di Leonardo(レオナルドの渡し舟)と呼ばれ、レッコ県のインベルサーゴ(Imbersago)とベルガモ県のヴィッラ ダ・アッダ(Villa d'Adda )の間に流れるアッダ川を渡るために運行されています。“レオナルドの舟って当時から同じものを使ってるの?危ないじゃん!”ってそんなはずはありません。レオナルドのアイデアをもとに、よりスムーズに運行できるようにアレンジされ現代に蘇らせた舟なのです。原理はしかし、いたって簡単。対岸を結ぶべくピーンと張られた鉄のワイヤーに60㎡の舟がつながれているだけ。原動力は川の緩やかな流れのみで、進行方向に微妙に傾けられた舟を水の力が対岸へ押し出すように進めるのですが、60㎡という舟のこの大きさも流れを受け力に変えるひとつのポイントのようです。よって本当に燃料費はゼロ。それでも人間100人と5台の車を乗せることができるとか!船頭さんもたった一人(おそらく)で、乗客の対応、岸から舟を出発させる重要なワイヤーのひと引き、そして方向を定めるなどの微調整を全てこなしています。

ゆったりと進む船。私達が船着場近くに車を止め、周辺を散策しているわずかな間も、乗客はひっきりなしに訪れこちらレッコ側からベルガモへと渡っていきます。勿論アッダ川を渡る橋もありますし道路も整備されているのですが、思いの他多い利用客。観光客向けも狙って設置された舟なのでしょうが、1ユーロ弱という運賃も手伝いきっと地元の得意客も多いのでしょう。

レオナルドのエコムゼオ・アッダ

このアッダ川周辺はParco Adda Nord(北アッダ公園)とされていて、現在アッダ川周辺都市が連合し、この公園地域で生きる、そしてこの環境生かすためEcomuseo Adda di Leonardo(レオナルドのエコムゼオ・アッダ)と言う名のもとで公園の整備、環境保護や文化的遺産の修復、環境を生かして地域の学童向けの課外教育そして観光にも力を注いでいるようです。レオナルドの渡し舟はこのエコ・ムゼオの中核的存在と言えます。レオナルドファンならずとも、このエコ・ムゼオ周辺都市はそれぞれ歴史的な教会や邸宅などの見所がありますし、ユネスコ世界遺産で日本でも有名というCrespi d'Adda(クレスピ・アッダ)もその名の通りアッダ川沿い。川の長さ分移動距離もあるので、短時間で全部をまわるのは無理ですが、訪れてみる価値は十分あるかと。2008年は1時間20分でインベルサーゴから14kmの見学ツアーも夏のみ企画されていたようなので、そんな機会に恵まれたなら、普通の観光とは違った視点で小さな旅が楽しめるかと。

ところでこの日は対岸に渡ってベルガモまで行く時間がなく、ここまで来たにも関わらず、私達は渡し舟に乗船しませんでした。しかし川沿いの散歩を楽しみ、船着場近くのレストラン兼バールに入りジェラートをテイクアウト。そこでケーキの陳列ケースにレオナルドの渡し舟の模型が飾られているのを目敏く見つけ“写真を撮ってもいいですか?”と聞くと、“どうぞどうぞ!”と笑顔付のいい返事。このお店、店員さんもウェイターさんも大変対応が良くそしてお手洗い(旅人にとっては重要なポイントです)もきれいなので、お勧めですよ。

しかしこの寒いのに外でジェラート!?と思いますがイタリア人、結構寒くても歩きながらジェラート食べてます。私はさすがに…車に戻って暖房つけてからいただきました。ここ北イタリアにもカーニバルとともに新緑がちらほらと見え初め、春はしっかり訪れてくれています。次回は初夏の風を感じながら、ジェラート食べつつベルガモに渡ってみたいものです。

 

〔参考ページ〕レオナルドの渡し舟に行く前に訪れてみてください。

Ecomuseo Adda di Leonardo 

http://www.addadileonardo.it/

 

Museo Nazionale della Scienza e della Tecnologia "Leonardo da Vinci"

レオナルド・ダ・ヴィンチ記念国立科学技術博物館

http://www.museoscienza.org/

 

Crespi d'Adda  http://www.villaggiocrespi.it/(日本語ページあり)

1/01/2009

2008.12 イタリアの現代美術館

イタリアの現代美術館

MartMuseo di arte moderna e contemporanea di Trento e Rovereto

クリスマスという一大イベントを、夫の実家があるミラノよりず~っと北、オーストリア国境近くのボルザーノ県で過ごした私達。出発前、プレゼントの用意や長男の遠征用離乳食の準備からはじまり、帰省中は親戚への挨拶回り、食べ過ぎ飲みすぎ…ハプニングとして叔父の入院も重なり、気も使って胃も弱ってと帰路につく頃には心身共にもうヘトヘト。車の窓から見える雪化粧した美しい山々さえ、粉砂糖をたっぷりかけたパンドーロ(クリスマスには必ずお目見えする山の形をしたパン(甘いのでケーキと言うべきか?)。パネットーネというドライフルーツが入ったパンと共に、12月から1月にかけて一人2個以上は消費するんじゃないだろうか?)を連想させグッタリ。

このままローテンションで帰りたくないよね!と叫んだところで、“ロヴェレート出口”という標識が目に入る。早速寄り道決行!


ヨーロッパ最大級の近現代美術館がこんな所に!

「ロヴェレートといえば、有名な美術館があるよ。」という相棒の一言で目的地は決定。とりあえず道はわからないけれど、街の中心を目指す。「で、美術館の建築は既存の建物をいかしながら新しい部分を造りつなげた面白いものなんだよ。設計者はボッタだよ。」またもやマリオ・ボッタのプロジェクトにここで出会う事になるのか。

「あ!レンガのでっかい建物があるよ!あれじゃない?」レンガの建物に滑らかなアーチとくればボッタか…と思って迷い込んだ住宅街の建物はどうやら教会と集合住宅で、美術館とは全く関係なし。「えー、でもきっとこれもボッタが関わったんじゃん?」などと言いながら住宅地を抜けるとすぐに美術館への標識を発見。クリスマス直後、人っ子一人いない巨大美術館前。それだけでも寒い雰囲気なのに、車をパーキングに置いて扉を開けると本当に寒さで肌がピリピリ。長男をマフラーでぐるぐる巻きにして美術館入り口まで小走りで移動する。

20021215日にオープンした巨大な美術館の建物は、ボッタと地元の技術者ジュリオ・アンドレオッリとのコラボレーションによって実現されたそう。透き通った青空を見渡せる、クーポラ状に組まれた天井、その骨組みの影が中央広場にクロスするように広がり、近現代美術館らしさを演出。イタリアで、ここまでピリリと清潔感を感じさせる建物にはなかなかお目にかかれないので、これだけでモヤモヤした気分も新鮮になってきます。

チケットは常設展、企画展共通。黄色いMartシールを洋服にぺたっと貼れば、出入りも自由。チケットと一緒にロヴェレートの市街地図がもらえ、地図にはお得な特典チケットもついています(提携の喫茶店でのコーヒー一杯無料券や、お買い物割引券など)。チケットカウンターの奥にはミュージアムショップが。書籍も充実してなかなか良い品揃え。そこでこんな小物を発見!実用的マルチプルアートって感じ?洗濯バサミがついたハンガー、ヨーロッパでは見かけないものでして(中華街ではたまに売っていますが)お土産に買うと喜ばれたりするアイテム。 しかし…ちょっと高いよね。

今回の企画展はIl secolo del JAZZ。その名の通りジャズをテーマにした展覧会。ポロックやバスキアによるジャズのイメージをキャンバスにぶつけた作品は勿論、ウォーホールのイラストレコードジャケット、マンレイにピカビアetc、アートだけでも有名どころが名を連ね贅沢な上、ジャズフェスティバルのポスターやジャズをテーマにした映画やアニメの上映、楽器や雑誌にいたるまでジャズ好きコレクターにはたまらないアイテムがずらり。広い会場の中、数多くの個室を作って時代やカテゴリーごとに見せる工夫がされていたが、あちこちから色々な音楽がどんどん聞こえてくるので集中力が保てない。大学時代、終わらぬ課題を抱え気分転換に入ったジャズ喫茶。大音量の音楽に包まれコーヒーを飲んだだけで、白紙のレポートを真っ白のまま持ち帰った事をふと思い出す。

同時にこの時は印象派展も別室で開催していたのでそちらも見る。モネにルノアール、ゴッホ、ゴーギャンなど、こちらは静かにゆっくり歴史的画家の作品を鑑賞。まったく別の空間に来た気分になる。「長男君は8ヶ月にしてモネもゴーギャンもみちゃうんだね。私がゴーギャンを初めてみたのは大学の時だよ。印象派展なんて横浜そごう美術館でそれらしき展示を見たのがはじめだったのに。」とぶつぶつ言いながらもう一つの展示室へ。

1900-1950年のイタリア美術近代現代作品がずらりと並ぶMartのコレクション展。ジャコモ・バッラそしてイタリア未来派といったらすぐに頭に浮かぶボッチョーニの実力を感じさせるデッサン。デ・キリコも沢山ある。Martは同じくロヴェレート出身の未来派巨匠デペーロの膨大なコレクションを所有し、2009年1月17日に長らく修復のため閉鎖されていたCasa d'Arte Futurisuta di Depero (デペーロの未来派アートの家) を再オープンするという。 今回のコレクション展もそれにちなんだものと言える。

展示を全て回ったところで時刻は正午を過ぎていた。館内のカフェテリア&レストランでパニーニとシュトゥルーデル(りんごパイのような、この辺りでよく作られているドルチェ)をテイクアウトし、長男のオムツを代えて(Martにはオムツがえベットも病院なみのものが設備されている!)、寄り道リフレッシュは大成功。楽しい気分で帰路につくことができました。

 

 

 

参考ページ

mart

http://www.mart.trento.it/

 建築に興味のある方はこのページでプロジェクト詳細のビデオが見られます。

http://www.mart.tn.it/context_video_big.jsp?ID_LINK=509&page=1

デペーロの未来派アートの家詳細

http://www.mart.trento.it/context_mostre_depero.jsp?ID_LINK=318&page=1