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10/01/2008

2008.10 秋の遭遇

秋といえば

11月になりますね。食欲の秋は日本だけではないようで、こちらでもキノコ類や栗の特売、イタリア全国の生ハムやチーズ、ワインの特売などで大型チェーンのスーパー、ディスカウント店がしのぎを削り、特設売り場を設けたり、デモンストレーションを行ったりと、色々な切り口で消費者の購買意欲を煽っています。私も煽られつつ、目移りしつつ、財布と相談しながら高級は無理ですが…半額ワインやチーズを細々買い込み、B級グルメな秋の食卓をささやかに楽しんでおります。
 今回マリオ・ボッタについて書こうと思っていたのですが次回におくりまして、秋といえばスポーツの秋。それを語るにふさわしい遭遇が重なったため、写真つきで秋らしい話題(?)をお送り致します。

 遭遇その1

 秋晴れの心地よさの中、購入したてのカーナビを使い、いつもと違う道を走っていた時のこと。最近工事が完了したらしく、珍しくでこぼこの少ない道、お尻の痛くならないドライブ。土曜日ということもあり、対向車線に何台もこれから結婚式に向かうのであろう車を見、花嫁が乗ったオープンカーも見、花婿や親戚の花輪つきのゴージャスな車を見、顔つきと身なりから、どうやらエジプト人かアラブの富豪かもね。なんて想像を膨らませ快適走行を続けていたところ、突然STOP!警察官らしくも警備員らしくもない、黒ジャケットとサングラスのバイクに乗ったお兄さんが目前に立ちはだかり、“止まって止まって!このまま待ってて!”と私達と後続の車をブロック。何事か?とバイクのお兄さんを観察してもどう見ても普通のバイカー。周囲は森、空き地のみ、何の表示もない。お兄さんになぜ?と聞いてもおそらくヘルメット着用のため聞こえないか無視。そんなこんなで10分は経過。隣の車のカップルは怒鳴って悪態をつき始めている。特に女性は私の聞いたことも無いような単語で眉間に皺を寄せて怒鳴っている。きっとすごい言葉を使ってるんだろーねぇと思いつつ、とにかく待っていると目前に一台の自転車、そして白バイ(こちらでは白じゃないけど)が。数秒後、前方の視界から切れるカーブ奥から、まるで蜂の大群のように高速で迫る自転車の一群が!

かの有名なイタリア横断自転車レースのジロ・ディターリア(Giro d’Italia)の開催は春ですが、(日本の自転車好きの友人にジロと聞いてもビヤンキと聞いても“それ誰?”と、説明する方もぐったりするような問いを投げかけていた私。今は取りあえず何事かわかるようになりましたよ!)秋は地方大会の開催も多い様。自主トレーニングにも最適な気候と見えて、素人から玄人まで車道を我が物顔で走るレーサー達をよく見かけ、ヒヤヒヤします。この一群もおそらく県か市主催大会参加のロードレーサー達。未来のマリア・ローザ(Giro d’Italiaで、総合成績1位の選手が着用する競技用シャツ)と、すれ違ったかもしれませんね。さて、この自転車群が過ぎ去った後、一体いつ走り出していいの?あのバイクのお兄ちゃんはどこへ?と思っていると、隣の悪態カップルはサッサと更に文句を声高に言い合いながら走り去って行きました。どうやら人を止めておいて、“終わったから行ってもヨシ!”なんて合図も挨拶もナシ。展覧会のポスターも、会期終了後貼りっぱなしで放置してある様子をよく見かけるこの国、どうも後始末の観念が日本とは少々違うようです。

 遭遇その2

地元の通いなれた道を走行中、ロータリーをぐるっと回っていたら後続の車の後ろに不振な影。彼らもロータリーを回っているようですが
 影の正体はなんと馬!車道をこんなふうに走って良いのでしょうか?“何かのイベントでもあるんじゃない?秋の収穫祭とか?”と想像しながらも、この日は地元で何のイベントもなかったようで。という事は単なるお散歩だったのでしょうか。それにしても美しい馬でした。話は変わりますが、最近ミラノ近郊の街はずれで羊の群れに道を阻まれました。(この日は残念ながらカメラを持っていなかった。残念。)後からジプシーの様な身なりのカップルが羊を追っていたので、彼らの羊なのでしょうがイタリア人も驚いていました。ニュージーランドとかイタリアでも他の牧草地帯ならば、のどかな風景と言えるのですが、住宅街からほど近い高速道路の入口付近。彼らの収入源は羊の毛なんでしょうか?謎です。

 遭遇その3

 スイス国境近くの湖へ行った時のこと(実は道に迷って偶然たどり着いたのですが)。小さい水鳥がスイスイこちらに向かって泳いで来たので“ほら、かわいい鳥さんだね。泳ぎがじょうずで…”と、最近何でも目で追うことが出来るようになった長男に話しかけていると、この鳥、突如にょきっと長い足を水上に現し、睡蓮の葉の上をテケテケ走りはじめました!エッ?!話しかけていた言葉も途切れ、驚きつつも観察。どうやら必死に虫をついばんでいる様子。泳いで追いかけられて、走って捉えられては虫もお手上げですね。軽量・小型・水陸両用、最近のIT商戦にぴったり!先週仕事で訳した企業ホームページのフレーズが頭を過ぎりました。彼の場合はスポーツ+食欲の秋といった所でしょうか。

 ご質問 ~ 回答になっていなくてごめんなさい。

当ブログを偶然ご覧になった方から、“コモの大聖堂は砂岩で造られていて修復するのに崩れやすく削ったりしにくいとの事で、卵の殻を混ぜたものを上から塗って修復するとか。この修復方法をなんと言うか?”というご質問がAQUENTさんに寄せられたそうです。私は修復の専門家ではないので、正直申しましてこれだけの情報では残念ながら回答不可能です。なぜか?というと、コモの大聖堂の修復に関して一般的に見られる情報は主にファサードに関しての記述、そして外壁前面の主となる部分は大理石を使っているはずなので、“砂岩で作っている”部分はない筈。なのですぐに手に入るような資料には見当たらない内容なのです。外壁でないとなると内壁。砂を混ぜるというのでフレスコ画を施すための下地についてかしら?基本的には石灰でしょうが、下地に炭酸カルシウムとして卵の殻を混ぜるというのはありえる。しかし皮膜は強くなるとしても、もろい壁自体を補強するのに使うかどうか?相棒が言うにはイタリア(英語圏だとEGGSHELLナントカで各種商品が出ているようですね。日本でもおそらく見つかる筈)では、マットホワイトの事を“卵の殻の白”と言う事もあり、塗料やジェッソでマット系に仕上がるものに“卵の殻”という名が入っているものがある。“上から塗る”という点では、実際に殻を使っていなくても、質問者さんのソースがイタリア語であれば、直訳で何かがこじれて実はこれだった!と考える事もできるとのアイデア。ともあれ予想でお答えしてはいけない事。きっとご質問は観光者向けのガイドからではない、専門書か特集コラムか専門家のお言葉か何かからかと。聖堂のどの部分の修復(建物か装飾か、内壁か外壁か等)についてか解かるようなら、次回(いつかはわかりませんが…)コモに行った時に聞いてみますが…。ちゃんとしたお答えにならず申し訳ない。もしくはコモ市役所に(世界的な観光地だけあって英語サイトもちゃんとあるのです)直接お問合せ頂けるとすっきりするかもしれません。http://www.comune.como.it/como/eng/

 

参考サイト
La Gazzetta dello Sport, Giro d’Italia
http://www.gazzetta.it/Speciali/Giroditalia/2007/it/index.shtml

写真
写真1:自転車が1台。数秒後どどっと!  
写真2:車の脇を無数の自転車が走り抜けて行きます。続いてチームの車が。
写真3:車道に馬。この付近には競馬場も農場も無いはずなんですが…
写真4:鳩ぐらいの大きさの水鳥。睡蓮の葉の上に乗っても大丈夫。