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7/01/2008

2008.07 コモに行ってみた。

観光地、違う角度でまわってみる。

8月、夏本番ですね。家中で私ひとりだけ、なぜかボコボコ蚊に刺され、ちょっと納得がいかない今日この頃。食べるものも生活習慣もほぼ同じ中、なぜに私だけこうも人気があるのか?私を刺した蚊達に、できれば理由を聞きたい所です。
 さて、8月になると北イタリアの企業も夏休みに入るところが多く、本格的なバカンスシーズンに突入します。家族不和や虐待など、最近寂しいニュースをよく耳にしますが、実際のところ大半の家族は皆で過ごす休暇を楽しみにしています(ぜひ心からそうであって欲しい!)。この時期、主要道路は荷物を車からはみ出すほど積載した車が沢山!休みが少ないお父さん達も、一足先に休暇を満喫している奥さんや子供とせめて週末だけは合流しようと、金曜の夜や土曜の朝に車をかっ飛ばして山や海に向かうのです。


 ミラノ近郊の避暑地

都心から車で1~2時間程度で到着する観光地はやっぱり手軽で人気。日帰り旅行で伊豆や千葉に行くような感覚でたどり着ける湖、いまやジョージ・クルーニーの別荘があることで、更に有名になってしまったコモに先週行ってみました。コモ市の中心街から見る湖は、あまりにも観光化されすぎていて、避暑って感じではないのですが、大きなコモ湖を取り囲む市や町の中にはアメリカやヨーロッパ各国からのリッチな観光客をターゲットにした高級リゾートも数多くあるようです。

さて、高級リゾートとはまったく縁遠い私達。どこかに座ってジェラートでも食べますか!っと思った所、またもや建築物辞典が頭にインプットされているMIRRO2(旦那です)の一言『ここにはGiuseppe Terragni(ジュゼッペ・テラーニ)の建築物が沢山あるはずだよ!』に、あるものは見とかなきゃ根性がくすぐられ、街を端から端まで巡る事に。

 

戦後イタリアのモダニズム

ムッソリーニ政権下で活躍した建築家、テラーニ。合理主義建築家と呼ばれています。ファシズムでは、国家の統一国力増強が第一であるため、自由な思想や行動が抑制されていました。そんな中で都市計画の最先端に立った建築家。整ったラインとそれとすぐわかるタイポグラフィが目を惹きます。調べてみると日本でも98年に水戸美術館にて展覧会が行われていたようですね。建築家の詳しい履歴などはネット上に溢れているようなので、今回は午後の限りある時間内で回った3つの建築の写真を掲載しましょう。


Ex Casa del Fascisede del comando della Guardia di Finanza

一番有名かもしれない旧カサ・デル・ファッショは、現在財務境警備隊の所有となっています。見学には事前予約が必要とインフォメーションで聞いたのですが、もしかして入れるかも?と思って受付にいる警官に恐る恐る聞いてみたところやっぱりダメでした。予約の電話番号等、親切に教えてくれたので、次回は内装も見てみたいと思います。


NEGOZIO VITRUM(ヴィトルムショップ。ブティックになっています)。コモの大聖堂のまん前にあるお店です。振り返るとドンとそびえる大聖堂の、イタリアゴシックのファサードとの対比が何とも言えません。



コモのメルカート。中は今も市場としてしっかり機能しています。 

他、湖畔を散歩し始めるとすぐに目に入るHotel Metropole Suisseもテラーニの作品。他にもコモ中心街のど真ん中の中心部にジュゼッペ・テラーニ財団があるだけあって(偶然にというか必然的に前を通り過ぎ気付きました)、少し足を伸ばせば他の作品もここコモにはわんさか存在しています。

 興味のある方は、コモ大聖堂の脇にあるインフォメーションにて、テラーニ建築物マップがもらえますので(2008年現在)寄ってみてはいかがでしょうか。

 

 帰りたいのに○○がなくて!

 車での帰り道、ガソリンがもうすぐ切れる事に気付きました。今頃気付くか?!と言うほど限りなく0に近いメーターに、夫婦共々小心者の私達は、いつ車が止まるかとちょっとドキドキしながら、やっと見付けたガソリンスタンドに入ったのです。が
 土日はスタンドの人もお休みなのか、お客が自分で給油する形を取っているスタンドがほとんどのこの国。そんな無人のスタンドに入るとこんな貼り紙が。“ESAURITO(売切れ)”“ガソリン、ブルーディーゼルは売り切れ、無鉛スーパーガソリンのみ販売中”…ガソリンスタンドで土日、ガソリンが売り切れって!アリなんでしょうか?!

 

参考ページ

http://www.arttowermito.or.jp/art/terragnij.html(水戸美術館テラーニ展覧会ページ)http://www.vis.it/giubileo/como_cattedrale.htm(コモ大聖堂)