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10/01/2007

2007.10 もう一度勉強してみる?

寒さ増す今日この頃。もう一度勉強してみる?

10月に入り、開き深まるミラノの風景などもお伝えしたい所だったのですが、ミラノ大聖堂前に漂う焼き栗の香りを置き去りに、一気に冬になってしまいました。寒くて肩こりがはじまる人も、早速流行りの風邪をもらって(今流行っている風邪は、熱が相当出る、鼻に来るという、会社・学校お休み必須の強力なものらしいです。こちらに来られる方は、気を付けてくださいね。)しまった人もいたりして、これからの寒さを考えると眉間にしわがよってしまいそうです。
 冬ごもりするわけにはいきませんが、この時期、家にいる時間が多くなる事はたしかです。そんな出不精時間を勉強に使ってみるというのも、なかなか良いのでは?と思う今日この頃。さて、ならば何を勉強するかと言うと

 やっぱり英語なんだよねぇ

前回も冒頭で触れましたが、イタリアの新学期は9月に始まります。夏休み中にリラックスした分、秋はみんなやる気に満ちて、新しい習い事のコースもほとんどが9月・10月に開講します。そんな中で人気が高いのは、趣味よりは実益を重視した語学コース。特に今注目されている言語は、やっぱり英語なんです。
 イタリアってイギリスも近いし、結構みんな英語喋れるんじゃないの?(“近い”の距離がどれぐらいかは考えず、日本より近いという意識)なんて私もはじめはいい加減な事を思っていたものです。しかし、イタリアってきちんと地図で見てみると、陸続きの隣国はフランス、スイス、オーストリアにスロヴェニア。どれも公用語として英語を使っていない国ばかりです。そんなイタリアも近年は小学校から英語教育を積極的に取り入れているようなのですが、以前は英語かフランス語のどちらかが必修だったり、オーストラリアに近い地域はドイツ語が(今でも)必修だったりするので地域によっても情勢によっても、そして年代によっても状況は違う様。英語が苦手なイタリア人に、「イタリアでは同じアルファベット(少し違いますが)を使っているから、私が英語を覚えるより、君達が英語を覚えるほうが簡単でしょう!」と言うと、「そりゃ読むのは簡単さっ!でも文法が違うでしょ。イタリア語はラテン語に属する言葉だから、同じ起源のスペイン語、フランス語は案外簡単に覚えられるけど。」との返事がかなりの確立でかえってきます。さらに、「こっちで会ったドイツ人は、ほとんどみんな英語が喋れたみたいだよ。」なんてうっかり言ってしまうと、「英語は“アングロサクソン語”でしょ。ドイツ人にとってはおんなじ種類の言葉だから覚えやすいんだよ。」と尽かさず返されます。皆口を揃えて言うのが「英語を読むのは簡単。でも何といっても発音がね時間があれば勉強したっていいけどね。」私の知り合いは皆が皆映画好き。見る映画と言えばハリウッドものがやはりメイン。それもあって英語に興味があるのは確実。しかし、どの国に行っても大人はなかなか時間が取れないのです。とは言うものの、話しながら“近くに米軍基地があるのがいやだから覚えない!日本から離れなきゃ良いだけの話でしょう。”なんて言っていた、高校時代の自分が思い浮かんだりもします。みんな興味はあるんです。興味だけは

 マカロニ・イングリッシュって?

「英語やっときゃ良かった!」とこちらに来てから強烈に後悔することが多くなりました。英語がまずバッチリで、イタリア語がそれなりで、母国語が日本語だったら、仕事の時にも相当良いアプローチが。でも私は英語が苦手です。そう、「記憶力がねぇ。そして何と言っても発音がねぇ。」
 いつまでも無いものねだりをしていちゃだめだと、一瞬こちらで市役所が主催する英会話コースを受講してみました。が、結果は散々。出席が今ひとつ出来なかったことも理由のひとつですが、イタリア人の英語の発音がわからないっ!Rはとにかく舌巻きますし、中の下のクラスだったので、英文を読み上げるとみんなイタリア発音の英語を連発。Begin=べいじん our=おぅる なんて当たり前。とりあえず高校までは何とか納めた英語の日本語発音が、いま、私の中で音をたてて崩れつつあります。イタリア語読みの英語。これこそが噂に聞いたマカロニ・イングリッシュ!

コマーシャルも的をついています。

先月まで頻繁に放映されていたコマーシャルがありました。あるイタリア人男性観光客が、イギリスのあの2階建てのバスに乗り、運転手に“Good morning!”と話かけるといったありきたりの何のひねりもないCMなのですが、その“グッドモーニング!”の発音の仕方が、“ゴォォドモルニング!”となるわけです。その彼の発音を聞いて、バスの運転手は急ブレーキを踏み、全乗客はのた打ち回ったあげく、倒れ、後続の自動車が衝突しと、大変な騒ぎになるわけです。これは、確か新聞と提携したある英会話教材のコマーシャルだったと思うのですが、コミカルな上、痛いところをしっかりついているので、反響はかなりあったのではないかと思われます。実際に電車の中で、買いたてホヤホヤの同教材のパッケージを、じっくり眺めている人を見かけました。
 私がみた限りではありますが、ある目的を持って勉強を始めるイタリア人は、相当ガンバルし間違えても笑ってやり直すし、とにかく積極的です。あぁダメだ、通じない~!と、あきらめてしまう私にとっては、そんな彼らの姿勢を見ると反省することしきり。通じなくても話しかける。わからなければわかるように他の言葉を見つけて話す。もしくはつかさず次のターゲットを見つけて話しかける。ジャパ二一ズイングリッシュと言われようが、マカロニだろうがスパゲッティだろうが、あきらめないことが、何と言っても語学習得の第一歩なのですな~。


写真1:マカロニに人がつぶされる!ダイレクトなイメージの英会話学校ポスター。

写真2:日本でも有名なある英会話学校のポスター。イタリアで英語というとやっぱりイギリス英語なのです。