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12/01/2008

2008.12 ダンテの神曲。

ダンテの神曲。技術系学生の心に文学の光が

MIRRO2は今期普段教えている学校以外で特別講師をしておりました。何を教えていたかってそれは美術、デザイン、建築という彼の分野を乗り越えた“演劇”!それも題材はかの有名な“神曲-地獄篇 Inferno”!!更に演じるのは電子技術系の専門校へ通う若者達!!!一体どういう組み合わせなんでしょう。いいんでしょうか、こんな仕事受けちゃって…。


 週一回の講義、毎回アイデア勝負!

高校に通うという選択はなく、そのまま仕事直結の技術を学びに来ている学生達(男子ばかり15人)、家庭環境も様々で世の辛酸を知っているなかなかの手ごわい輩達。そんな彼らにダンテを暗記させた勇気と根気のある先生がいたそうで。(ちなみにイタリアでは皆、歴史や文学の授業で必ずダンテに触れます。私達が一様“平家物語”や“枕草子”の冒頭をちょろっと言えたりするのと同じ感じかな?)こんな奇蹟がおこせたならば、何か形にしなければ!そこで、暗唱ができるというベースを活かして学期末、劇を発表しようじゃないかという話が持ち上がり、以前美術系の短期講座を受け持ったMIRRO2にお声がかかりました。「舞台監督をしろというわけじゃないし、演技を教えるわけじゃない。背景の美術や小道具を作らせるだけだよ。」という話でOKし、9月から週一回、劇制作集中講義が始まりました。
 その発言通り、初回の授業からいきなり舞台衣装作りを開始。黒のTシャツにそれぞれのイメージを自由に描かせるというもの。他のクラスメイトと同じカラー、しかし自分ではじめてデザインしたオリジナルTシャツは舞台への連帯感を高め、毎回この授業の時には皆このTシャツを着用する様に。初授業の手ごたえは良好だったようです。
2回目以降はなかなかの苦戦を強いられました。デザインする、絵を授業で描くということなど今まで経験していなかった学生達。舞台背景に森をデザインしようと決めてもだれが描くの?小道具って何作るの?音楽??アイデアはゼロに等しく、ほぼこちらで決めて提案し、ベースを作っていかなければいけません。背景用の森は下絵を狭い我が家の居間に模造紙を敷き詰めて、授業前夜に描き上げ丸めて学校へ持って行き、生徒はそれに沿って着彩。雨の音を演出しようとペットボトルに細かく切り込みを入れた鳴り物を作成。これは…実は、最近音の出るものが大好きな長男のために、私が作っていたものを流用。これは私の内職になり、長男と遊びながら数十個作成。

暗唱のみで動きの少ない舞台、せめて色を添えなければと背景にプロジェクターで自然と地獄にちなむ絵画イメージを映し出しては?と提案し、これまた自ら数百枚の写真を組み合わせるのもMIRRO2の夜なべの内職となりました。更に志気を高めなければと彼らの本職を活かし、劇紹介のホームページを作成することを提案。これは当日会場に設置したPCで初お目見えし、なかなかの好評を得ます。バックミュージックもギリギリになって、近所のCDショップで何枚ものCDを視聴しCD屋さんのアドバイスを元に決定。毎回MIRRO2の行動を継ぎはぎに見ていた私と長男。これは一体ちゃんとした劇になるんだろうか?と若干不安を覚えたりして。

 前代未聞の神曲、感動の終幕

毎回アイデアを絞りつくし、何とか1218日、上演当日にたどり着きました。学生達は独自で招待状を作成し配布。学校の階段踊り場を当日の舞台用に整え、階段に手作りの灯篭を配置。会場案内をする学生は皆これまた手作りのバッチをつけて来客を待ちます。
 勿論私も長男と共に、観劇に出かけました。渋滞に巻き込まれながらミラノまで2時間半、チャイルドシートの長男は良い子でずっと眠っていてくれました。
 所要時間わずか20分の劇。導入をクラス担当のテレーザ先生が読み、それに引き続き学生達が順々に数フレーズずつ暗唱。列の前後を入れ替えたり、例の鳴り物を要所要所でシャカシャカ鳴らしたり、演出もなかなか決まっています。何より皆が間違えることなく堂々と暗唱をする姿に、全ての観客は感動。長男も最前列で時折“ブーッ、ウーッ”と唸りながらも興味深く観劇。終幕には皆が暖かく、そして大きな拍手を惜しみなく送ったのでした。

 劇が終わると同時に、皆にダンテを教えた文学の先生を学生達が取り囲み胴上げ!ここまで来るとまるで映画のワンシーンの様。感動覚めやらぬ会場で、MIRRO2を激励に。「良い仕事をしたね、よくここまで持ってきたね!みんな立派でしたねぇ」と言っているところに、テレーザ先生がやってきて、「実は昨日、劇なんてヤラナイヨッ!なんて皆が言い出したのよ。だから“やりたくないならヤメナサイッ!”って言って教室を出たの。そしたら後から彼らあやまりに来たのよ~」っと笑顔で。ややっ、そんなドラマがあったとは!何はともあれ、結果良好。これで皆幸せなクリスマスを送れそうです。

11/01/2008

2008.11 サルティラーナ

神の家、人の家

“教会”それも“ヨーロッパの教会”というと、やはり長年の固定観念は拭い切れず、天に向かってつんつん伸びて行きそうなゴシック様式や、荘厳なバロック様式の建築を想像してしまいます。日本にも風土を活かして建てられた親しみ深い教会や、有名建築家のデザインした教会などもあるのですが、信者でない限りそれは観光名所としての存在であったり、結婚式の時だけ利用するものであったり。日常そこがどんな風に使われているのか、本来の姿を見ずに器だけで感心感動するだけじゃ、ホントに勿体無い。

イタリアはカトリックの国。(とはいっても今は若者の“教会離れ”が問題になっていたりもするのですが)暦はもちろん日常生活、結婚、出産(洗礼があるので)など人生のイベントにあたっても、地元の教会がまだまだ重要な役割を果たしています。子供達は学校から帰って午後には教会のオラトリオ(青少年の集会所や教会のイベント施設。サッカーも出来る広い庭があったりもする。)に行って元気に遊んだり、ある時期になるとカトリック要理をシスターや神父様について教わったりします(ここでお行儀も教わる?)。大人は祈りの会だけではなくコーラスやバザー、その他最近はヨガやテニスなどのサークル活動をしたり、老人はミサの後おしゃべりしたり、毎年バスで巡礼ツアーに行ってみたり。日曜日のミサの後も、住んでいる地区のほとんどの住民、知った顔に出会う時なので“やあっ!”“調子はどう?!”っと教会の前はとってもにぎやか。

 風景の一部ではない、人の住む生きた街にある家

 と、ここまで前置きをしておいて、本題に入ります。このブログ上で何度も名前が出ている建築家マリオ・ボッタ(Mario Botta)。そのボッタがデザインした教会、ミラノから車で約40分~1時間のメラーテはサルティラーナ、ブリアンテア地区(Merate, Sartirana Briantea)にある使徒聖ペトロ教会(Chiesa S.PIETRO APOSTOLO)に行ってまいりました。周囲を森や畑に囲まれた山中の住宅街、蛇行する道に不安を覚えても「ボッタの教会はどこ?」と聞けば、誰もがすぐに道を教えてくれますし、ご丁寧に道案内の標識にまで、“サルティラーナ教会、マリオ・ボッタ設計”と書いてあります。坂道を登りきると、例の手焼きレンガの優しい赤茶色をした教会が、オラトリオのグランウンドを背景に視界を遮るものもなく、独特の存在感を誇りつつ現れます。
 基本的には規格のダンボール箱と同じような比率の箱型、天変の十字架と鐘を主軸に正面下部左右のブロックをポコッと取り去って階段と採光のスペースに。つまり建物正面は丁度T字型になっており、まるでちょっと角ばった巨大な樹を想わせるので、ミサの時など中心の幹(入口)に向かって左右下部から人がぞろぞろと上がって、中に吸い込まれていく様子は象徴的とも言えます。 

ボッタが設計した教会はこの教会一つだけではなく、スイスやトリノ(トリノの教会はその規模からもかなり有名)にもあります。それだけに、何が教会に必要なのか?そのコンセプトは、<私は“神の家”を“人の家”を思い描きながらデザインした:人が生き、人の作った街に息づく風景の一部などではない神の家>(私の翻訳は拙いので怒られそうですが、人は神の手によるものなので、人の創造物も最終的に神に捧げられるような“循環”を想像させるような書き方をしている)というボッタ自身の言葉からも、しっかりと伝わってきます。

 光、静けさ

訪れた日は日曜日だったので、教会では11時からのミサが始まっており、地元の方たちで教会内は満席になっていました。私達も入口付近に立って参加。ミサが終わるのを待ちます。ミサに参加した事でインテリアの設計の使い勝手もしっかり見ることができました。教会の核とも言える聖櫃(聖体を安置する場所)は、祭壇脇、十字架のキリストの下に重要さを欠かない程度の簡潔なデザインで設えられ、洗礼の際に必要な洗礼盤は右後方、まるで野外モニュメントのミニチュアの様な不思議な存在感で、はじめはそれと気付かなかったのですが、聖水を湛える役目を果たしながら水をすくいやすい実用的なデザインになっています。椅子、パンフレット置き場なども全て木で統一され徹底的にシンプル。その簡潔さゆえに、晴れた日は祭壇後方のステンドグラスがとても神秘的に光を室内にたたえますし、また雨や曇りの日、夜には天井に吊るされたランプが柔らかな光を放ち、レンガの温もり、木の暖かさを引き立たせ、教会にありがちな冷たさは感じられません。
 この日は雨で気温も低く、コートなしではいられない寒さだったのですが、ランプの優しい明かりがミサに参加する街の人たちを包み込み、視覚的にも、そして人の温もりも手伝って教会内は温かく、雨に濡れた傘もしばらくするとほぼ渇いてしまいました。

音が降りてくる

 教会といえばコーラス隊。ミサの中では賛美歌が歌われ、オルガンの演奏もあります。多くの教会が入口上部にコーラス隊やオルガンのスペースを持っているのですが、この教会もまたしかり。しかし面白いことにここではまるで芝居小屋のように上部のバルコニーが2層になっていて、さらに円形にぐるりと回れるようになっており、人数が多いコーラス隊でもスペースたっぷり。私達も登ってみました。上からだとランプがみっちりと配置されている様子もわかりやすく、天井の組み方もしっかり見ることができます。

 今回もちいさな長男を連れて行ったので、そのためでしょうか、ミサの終わりに司祭様が私達の方にスッと立ち寄り、私の手にルルドのマリア様のメダイを置き、握らせ、5ヶ月の息子の額に手を当てて祝福をしてくださいました。“あの!見学なんで写真を…”と言いかけたのですが、司祭様は微笑むとさっと立ち去ってしまわれました。動揺しましたが、長男のためにもよかったね!と相棒と話しつつ、写真はおそらく皆さんなれているのか撮影しても何も言われず、問題なし。かえってキョロキョロしている私達にたずねる前に階段の場所を教えてくださったり、パンフレットをくださったりと、大変親切にしていただきました。ミラノを訪れる建築家や学生さん、レンタカーを借りればちょっとの距離です。ピクニックがてらに立ち寄ってみてはいかがでしょうか?

10/01/2008

2008.10 秋の遭遇

秋といえば

11月になりますね。食欲の秋は日本だけではないようで、こちらでもキノコ類や栗の特売、イタリア全国の生ハムやチーズ、ワインの特売などで大型チェーンのスーパー、ディスカウント店がしのぎを削り、特設売り場を設けたり、デモンストレーションを行ったりと、色々な切り口で消費者の購買意欲を煽っています。私も煽られつつ、目移りしつつ、財布と相談しながら高級は無理ですが…半額ワインやチーズを細々買い込み、B級グルメな秋の食卓をささやかに楽しんでおります。
 今回マリオ・ボッタについて書こうと思っていたのですが次回におくりまして、秋といえばスポーツの秋。それを語るにふさわしい遭遇が重なったため、写真つきで秋らしい話題(?)をお送り致します。

 遭遇その1

 秋晴れの心地よさの中、購入したてのカーナビを使い、いつもと違う道を走っていた時のこと。最近工事が完了したらしく、珍しくでこぼこの少ない道、お尻の痛くならないドライブ。土曜日ということもあり、対向車線に何台もこれから結婚式に向かうのであろう車を見、花嫁が乗ったオープンカーも見、花婿や親戚の花輪つきのゴージャスな車を見、顔つきと身なりから、どうやらエジプト人かアラブの富豪かもね。なんて想像を膨らませ快適走行を続けていたところ、突然STOP!警察官らしくも警備員らしくもない、黒ジャケットとサングラスのバイクに乗ったお兄さんが目前に立ちはだかり、“止まって止まって!このまま待ってて!”と私達と後続の車をブロック。何事か?とバイクのお兄さんを観察してもどう見ても普通のバイカー。周囲は森、空き地のみ、何の表示もない。お兄さんになぜ?と聞いてもおそらくヘルメット着用のため聞こえないか無視。そんなこんなで10分は経過。隣の車のカップルは怒鳴って悪態をつき始めている。特に女性は私の聞いたことも無いような単語で眉間に皺を寄せて怒鳴っている。きっとすごい言葉を使ってるんだろーねぇと思いつつ、とにかく待っていると目前に一台の自転車、そして白バイ(こちらでは白じゃないけど)が。数秒後、前方の視界から切れるカーブ奥から、まるで蜂の大群のように高速で迫る自転車の一群が!

かの有名なイタリア横断自転車レースのジロ・ディターリア(Giro d’Italia)の開催は春ですが、(日本の自転車好きの友人にジロと聞いてもビヤンキと聞いても“それ誰?”と、説明する方もぐったりするような問いを投げかけていた私。今は取りあえず何事かわかるようになりましたよ!)秋は地方大会の開催も多い様。自主トレーニングにも最適な気候と見えて、素人から玄人まで車道を我が物顔で走るレーサー達をよく見かけ、ヒヤヒヤします。この一群もおそらく県か市主催大会参加のロードレーサー達。未来のマリア・ローザ(Giro d’Italiaで、総合成績1位の選手が着用する競技用シャツ)と、すれ違ったかもしれませんね。さて、この自転車群が過ぎ去った後、一体いつ走り出していいの?あのバイクのお兄ちゃんはどこへ?と思っていると、隣の悪態カップルはサッサと更に文句を声高に言い合いながら走り去って行きました。どうやら人を止めておいて、“終わったから行ってもヨシ!”なんて合図も挨拶もナシ。展覧会のポスターも、会期終了後貼りっぱなしで放置してある様子をよく見かけるこの国、どうも後始末の観念が日本とは少々違うようです。

 遭遇その2

地元の通いなれた道を走行中、ロータリーをぐるっと回っていたら後続の車の後ろに不振な影。彼らもロータリーを回っているようですが
 影の正体はなんと馬!車道をこんなふうに走って良いのでしょうか?“何かのイベントでもあるんじゃない?秋の収穫祭とか?”と想像しながらも、この日は地元で何のイベントもなかったようで。という事は単なるお散歩だったのでしょうか。それにしても美しい馬でした。話は変わりますが、最近ミラノ近郊の街はずれで羊の群れに道を阻まれました。(この日は残念ながらカメラを持っていなかった。残念。)後からジプシーの様な身なりのカップルが羊を追っていたので、彼らの羊なのでしょうがイタリア人も驚いていました。ニュージーランドとかイタリアでも他の牧草地帯ならば、のどかな風景と言えるのですが、住宅街からほど近い高速道路の入口付近。彼らの収入源は羊の毛なんでしょうか?謎です。

 遭遇その3

 スイス国境近くの湖へ行った時のこと(実は道に迷って偶然たどり着いたのですが)。小さい水鳥がスイスイこちらに向かって泳いで来たので“ほら、かわいい鳥さんだね。泳ぎがじょうずで…”と、最近何でも目で追うことが出来るようになった長男に話しかけていると、この鳥、突如にょきっと長い足を水上に現し、睡蓮の葉の上をテケテケ走りはじめました!エッ?!話しかけていた言葉も途切れ、驚きつつも観察。どうやら必死に虫をついばんでいる様子。泳いで追いかけられて、走って捉えられては虫もお手上げですね。軽量・小型・水陸両用、最近のIT商戦にぴったり!先週仕事で訳した企業ホームページのフレーズが頭を過ぎりました。彼の場合はスポーツ+食欲の秋といった所でしょうか。

 ご質問 ~ 回答になっていなくてごめんなさい。

当ブログを偶然ご覧になった方から、“コモの大聖堂は砂岩で造られていて修復するのに崩れやすく削ったりしにくいとの事で、卵の殻を混ぜたものを上から塗って修復するとか。この修復方法をなんと言うか?”というご質問がAQUENTさんに寄せられたそうです。私は修復の専門家ではないので、正直申しましてこれだけの情報では残念ながら回答不可能です。なぜか?というと、コモの大聖堂の修復に関して一般的に見られる情報は主にファサードに関しての記述、そして外壁前面の主となる部分は大理石を使っているはずなので、“砂岩で作っている”部分はない筈。なのですぐに手に入るような資料には見当たらない内容なのです。外壁でないとなると内壁。砂を混ぜるというのでフレスコ画を施すための下地についてかしら?基本的には石灰でしょうが、下地に炭酸カルシウムとして卵の殻を混ぜるというのはありえる。しかし皮膜は強くなるとしても、もろい壁自体を補強するのに使うかどうか?相棒が言うにはイタリア(英語圏だとEGGSHELLナントカで各種商品が出ているようですね。日本でもおそらく見つかる筈)では、マットホワイトの事を“卵の殻の白”と言う事もあり、塗料やジェッソでマット系に仕上がるものに“卵の殻”という名が入っているものがある。“上から塗る”という点では、実際に殻を使っていなくても、質問者さんのソースがイタリア語であれば、直訳で何かがこじれて実はこれだった!と考える事もできるとのアイデア。ともあれ予想でお答えしてはいけない事。きっとご質問は観光者向けのガイドからではない、専門書か特集コラムか専門家のお言葉か何かからかと。聖堂のどの部分の修復(建物か装飾か、内壁か外壁か等)についてか解かるようなら、次回(いつかはわかりませんが…)コモに行った時に聞いてみますが…。ちゃんとしたお答えにならず申し訳ない。もしくはコモ市役所に(世界的な観光地だけあって英語サイトもちゃんとあるのです)直接お問合せ頂けるとすっきりするかもしれません。http://www.comune.como.it/como/eng/

 

参考サイト
La Gazzetta dello Sport, Giro d’Italia
http://www.gazzetta.it/Speciali/Giroditalia/2007/it/index.shtml

写真
写真1:自転車が1台。数秒後どどっと!  
写真2:車の脇を無数の自転車が走り抜けて行きます。続いてチームの車が。
写真3:車道に馬。この付近には競馬場も農場も無いはずなんですが…
写真4:鳩ぐらいの大きさの水鳥。睡蓮の葉の上に乗っても大丈夫。

9/01/2008

2008.09 スイスに行ってみる。

納品後はパァッと!週末国境越え

カレンダーと09年度手帳の納品がひとつ終わりました。最後に激しく差し替えや文章の微妙な間違いがあり、納品してからも手直し。私のイタリア語能力では追いつかない微妙な改行の法則やら大文字小文字の使い方などは相棒が苦労して直してくれ、やや…勉強になりました。
 今回知人の紹介で、はじめての印刷所に仕事を依頼しましたが、たいへん丁寧で入稿から印刷完了までの時間もはやく、イタリア各所への分散納品も快く、そして迅速に対応してくれ感動。途中見積もり、紙質の不思議な間違い(折見本までばっちりこさえてくれたにも拘らず、ページ数も紙質も違うものが出てきて不意をつかれました。)もあったけれど終わりよければ全てよし!久々に信頼できる仕事振りに感謝しつつ、日本じゃこんなん有難がったりもしなかったなぁ~と過去の自分を反省してみたり。とりあえず何でも感謝できるってのはいいことです。その分自分の心が晴れ渡ります。

 打ち上げに国境越え

 先日友人の息子さんが、“うちでは僕の進級テストが終わると、いつもフェスタをするんだよ!”と言っていて、ああ、何て良いファミリーなんだろう!我が家もテストの結果がどうであれ、そうありたいもんだわ…っと思い、日本じゃそういえば何かにつけて仕事が終わると打ち上げ!その仕事が大きかろうと小さかろうと“打ち上げ”と称して飲みに行っていた事を思い出しました。そこで、これは良い機会だとばかりに
 「そうだ、打ち上げ(フェスタ、何かいつもと違うこと)しよう!」っと相棒に言ってみると
 「ソウカ!ならば明日スイスに行こう!」との返事が … スイス?!
レッコという街に引越しをしてから、ここはミラノよりスイスが近いと聞いてはいたものの未だ行っていなかった私達。この機会に、日帰りスイス旅行に行くことにいたしました。

 お隣なのにはっきり違う。

 翌日は土曜日。朝11時、車に紙オムツを積み込んで(ただいま5ヶ月の長男のため)出発。レッコからコモ、コモの隣はもうキャッソというスイスの街。所要時間はゆっくり走って1時間半、もう国境の検問所に到着してしまいました。「さあIDカードを用意して、私はパスポートも聞かれるかな?」なんてカバンをごそごそしていたら、身分証明どころか声さえもかけられず、あっという間に検問所を通過。まあ!何て簡単なんでしょう。

 しかしスイスの高速道路を走るためには、ヴィニエッテ(Vignette)というチケットが必要。警備の方に聞いてみると検問所で販売しているそうで、早速購入。しかし使い方がわからない!またもや聞いてみると「はがして、フロントガラスの邪魔にならない所に貼るんですよ。上の方がいいだろう、そら、ここらへんね。」とシールを貼る場所まで親切に指示してくれました。

 スイスの高速を走りながらやたらと感動。「おおっ、道がきれいだ!舗装がひびわれてない!!」「トンネルの中が明るい!蛍光灯ってやっぱいいねぇ」なんて会話を繰り返します。隣の国なのにこんなに違う。さっきまで走っていたところとやっぱり何か違う。Barの前でたむろしている老人がいない、ランニングに金の鎖ネックレスで自転車にのっているオヤジもいない、そう、ここはスイス!

 イタリアから一番近いスイスの観光地と言ったら、ルガーノ湖。とりあえず湖畔を散歩でもしようかと高速を飛ばします。するとキャッソからルガーノへ向かう橋の欄干越し、ルガーノ湖を挟む湖畔にやたらとデカイ見たことのあるスタイルの建築物が。位置的にあれは有名なカンピオーネ・ディタリア(campione d’itaria)の様。スイスの中に飛び地的に存在しているイタリアの市です。カジノが主な収入源というだけあって、この建築物は巨大カジノ。以前にも何度か名前を出しましたマリオ・ボッタのプロジェクトです。ボッタの出身はスイスのティチーノ州(ルガーノ、キャッソもこの州に属しています。スイスのイタリア語圏。)ですから、重要な仕事を地元の有名建築家に頼むのは、当たり前といえば当たり前ですね。来月またちょっと珍しいボッタのプロジェクトをひとつ紹介しようかと思っています。

 さて、ルガーノにあっさり到着。湖畔をぐるっと散歩して、ベンチに腰掛けぼーっと湖を見つめます。さて次はどこに行こうか?こんなに近いならいつでも来れるね!っという事で観光はここまで。ユーロが強い今なら、きっとお得に違いないスイスの大型スーパーMIGROSに立ち寄ります。
 スイスと言えばチーズ。でも観光地で買うとかなりなお値段。しかし地元のスーパーやディスカウントに行けば種類も豊富な上にそのお店独自のプロデュース商品もありとってもお得。MIGROSでもMIGROSパッケージの商品はかなりお値段が低く抑えてあります。お目当てのチーズを何種類か買い、そして…MIGROS紙おむつ60枚入り(CHF11.80EURO78、イタリアだと2530枚の紙おむつが大体EURO68なのでかなりお得。)も買ってしまいました。生活感溢れる話題ですみません。

 日本ではエコバッグが流行っているとか。でもあんまりにもカワイイデザインやブランドエコバッグだと、実はセカンドバッグ的に普段使って、スーパーの買い物では変わらずビニールの袋に入れてもらっているなんて事ありませんか?MIGROSにてこんなビニールバックを発見。スイスでは(日本も多くの市はそうだと思うのですが)リサイクルやゴミ処理の便宜上、指定のゴミ袋を使うようです。そこでこのバッグは、点線の部分からピロンとはがすと広がって定型のゴミ袋にはやがわり。丈夫なので何度か買い物に使って、最終的にはゴミ袋として使いながらポイッ!これこそまさにエコ王国スイス究極のエコバッグ!?

 買い物を済ませるともう6時。ここで打ち上げスイス旅行はフェスタっぽくなく終了。しかしこの近さに味をしめて、徐々に走行距離を伸ばしてドイツ語圏に近づいて行こうかと思っております。乞うご期待!

 

写真

写真1:これがスイス-イタリアの国境。そして右はヴィニエッテ。  

写真2:カンピオーネ・ディタリア。遠くからなのでちょっと解かりにくいかな。
写真3:ルガーノは人気の観光地。美術館や教会など見所も沢山あるのです。
写真4:MIGROSのエコビニールバッグ。点線から開くとゴミ袋に変身。

8/01/2008

2008.08 頭隠して尻隠さず…

夏の散歩道

ミラノから車にて自宅へ移動中、ある地点で“頭隠して尻隠さずかぁ。”とひとりふとつぶやいている自分に気付きました。あれっ?なんでこんなことわざが浮かぶのか??次の日、また同じ道を通っているときにその理由を発見。大型スーパーの建設予定地を囲む壁面のイラストレーション!そのまた次の機会に同じ道を通ったとき、写真をパチリ。土の中に頭をつっこんでいる人々の変なイラストです。イラストの下に“IL BELLO è TUTTO SOTTO(良い事は全部下(見えない所)に)”と書いてあるので、もうすぐ完成するスーパー自体が良いもので、それが隠れたところにあるっていう意味?もうちょっとでお目見えするから待っててねっ!て感じなのでしょうか。どうやら頭隠してとはまったく関係なかったみたいです。ちなみに“頭隠して尻隠さず”のイタリア語バージョンはあるのか?と疑問に思い小学館日伊辞書をひいてみると、ありました。“fare come struzzo, nascondere la testa nella sabbia(ダチョウの様に、頭を砂の中に隠す)”しかし問題をやりすごすという意味で使われるようなので、これまた日本のことわざとはちょっと違う様。

 馬車で登れない道?

車での移動中、一瞬にして過ぎ去る景色や標識について、じっくりと考えをめぐらす事は難しいものです。ましてアナタが運転手だったりしたら、ぼっと考えたり何かを見つめて振り返ったりなんて危険すぎる!ところで、うちにはもうすぐ4ヶ月になる元気な長男が居ります。毎朝のお散歩はよく親の都合で変更してしまうことが多いのですが、この夏は、近所はもちろん車にベビーカーを積んでちょっと遠出してのお散歩など、お散歩コース開拓を試みております。彼はベビーカーに乗ると数分後には夢の中なのですが、私や夫はとにかく、一時間もしくはそれ以上、黙々と歩き続けます。歩きながら本を読むわけにも、仕事をするわけにもいきませんから自然と道端観測に力が入り、車と違って立ち止まったり、何か興味深いものがあったらじっくり観察したり考えたりする事も。先日Barzioという、日本で言うと軽井沢のような避暑地に友人をたずねて行ったときも、夕方はやっぱりお散歩。Barzioは山の上の街なので急斜面が多く、舗装された道路もきつい坂になっている箇所があります。そんなところで見付けた交通標識馬車禁止!ですか?!急すぎてひっくりかえっちゃうのでしょうか。幸いにもベビーカー禁止というのは、まだ見たことはありません。

こちらに来てから、トレッキングが好きという人に数多く出会いました。“妊娠中も大きなお腹で山に栗拾いにいったわ~”“生後3ヶ月の子供をリュック型のおんぶ紐で背負って山に登ったよ!”なんて話も聞きました。山で足を滑らせて怪我をしたという話もまたよく聞きます。そんな背景もあるのか先日のお散歩道では、パーキングマークの標識に、山歩き姿のピクト君を発見。P+登山客という事は、登山客専用パーキングなのか、パーキングだけど登山客用のスペースもあるよって事なのか(椅子や水道があったので)ちょっとわかりづらいマークです。そしてお散歩好きには欠かせない遊歩道。さすがイタリアは自転車愛好家人口も多いので、左人間、右は自転車というサインをよく見かけます。しかし大概みんな真ん中を歩いたり走ったりするので、サインは無視されがち。自転車もスポーツサイクル、家族全員マウンテンバイク、そしてママチャリの学生まで様々。先日見かけたボロチャリ叔父さんは、上半身裸で、かごの中には使い古したスーパーの袋とボリュームを最大にしたラジオ。イタリアのカンツォーネをバリバリに流しながら、同じ道を何度か往復しているようでした。お散歩に、人間ウォッチングはやはり欠かせませんね。興味深い人材を見かけると、二人以上でのお散歩の場合は、職業当て、人生予想ゲームにまで会話が発展したりします。

 標識は誰が整備するの?

壊れている信号機、青信号の真ん中に変なステッカーがいたずらで貼られちゃっている信号機、黄色の点滅信号だけど、何でそこに設置されたのかわからない信号、ねじれた行き先表示の看板、道端に捨てられた(?)進入禁止の標識、見ると混乱して事故をおこしそうに感じるミラー(!)などを見かけた事が何度かあります。何度か通っている散歩道でも、3度目ぐらいにやっと気付いた一方通行の標識が。いつの間にか後ろの木が育ってしまったのか、木に負けないような高さで設置してみたのかわかりませんが、この道の一方通行標識はこれひとつのみ。秋になり、冬が来たら葉が落ちてよく見えるようになるから放置というわけでもなさそうです。一方通行が多いイタリアの街中。逆走やスーパーバック(バックで10m以上ぎゅんと走る人を何度か見かけたことが!)での走行には、くれぐれも気をつけてくださいね。

 

写真
写真1:建設現場を覆うイラスト。
写真2
:はじめてみた交通標識馬車禁止!
写真3:Barzioは急斜面が多いので、ベビーカーも独特な走法を(?!)。もしくはベビーは担いで。
写真4:左:パーキング+登山客。 中:遊歩道。左は人で右はチャリ。右:一方通行標識が、木に隠されている。

7/01/2008

2008.07 コモに行ってみた。

観光地、違う角度でまわってみる。

8月、夏本番ですね。家中で私ひとりだけ、なぜかボコボコ蚊に刺され、ちょっと納得がいかない今日この頃。食べるものも生活習慣もほぼ同じ中、なぜに私だけこうも人気があるのか?私を刺した蚊達に、できれば理由を聞きたい所です。
 さて、8月になると北イタリアの企業も夏休みに入るところが多く、本格的なバカンスシーズンに突入します。家族不和や虐待など、最近寂しいニュースをよく耳にしますが、実際のところ大半の家族は皆で過ごす休暇を楽しみにしています(ぜひ心からそうであって欲しい!)。この時期、主要道路は荷物を車からはみ出すほど積載した車が沢山!休みが少ないお父さん達も、一足先に休暇を満喫している奥さんや子供とせめて週末だけは合流しようと、金曜の夜や土曜の朝に車をかっ飛ばして山や海に向かうのです。


 ミラノ近郊の避暑地

都心から車で1~2時間程度で到着する観光地はやっぱり手軽で人気。日帰り旅行で伊豆や千葉に行くような感覚でたどり着ける湖、いまやジョージ・クルーニーの別荘があることで、更に有名になってしまったコモに先週行ってみました。コモ市の中心街から見る湖は、あまりにも観光化されすぎていて、避暑って感じではないのですが、大きなコモ湖を取り囲む市や町の中にはアメリカやヨーロッパ各国からのリッチな観光客をターゲットにした高級リゾートも数多くあるようです。

さて、高級リゾートとはまったく縁遠い私達。どこかに座ってジェラートでも食べますか!っと思った所、またもや建築物辞典が頭にインプットされているMIRRO2(旦那です)の一言『ここにはGiuseppe Terragni(ジュゼッペ・テラーニ)の建築物が沢山あるはずだよ!』に、あるものは見とかなきゃ根性がくすぐられ、街を端から端まで巡る事に。

 

戦後イタリアのモダニズム

ムッソリーニ政権下で活躍した建築家、テラーニ。合理主義建築家と呼ばれています。ファシズムでは、国家の統一国力増強が第一であるため、自由な思想や行動が抑制されていました。そんな中で都市計画の最先端に立った建築家。整ったラインとそれとすぐわかるタイポグラフィが目を惹きます。調べてみると日本でも98年に水戸美術館にて展覧会が行われていたようですね。建築家の詳しい履歴などはネット上に溢れているようなので、今回は午後の限りある時間内で回った3つの建築の写真を掲載しましょう。


Ex Casa del Fascisede del comando della Guardia di Finanza

一番有名かもしれない旧カサ・デル・ファッショは、現在財務境警備隊の所有となっています。見学には事前予約が必要とインフォメーションで聞いたのですが、もしかして入れるかも?と思って受付にいる警官に恐る恐る聞いてみたところやっぱりダメでした。予約の電話番号等、親切に教えてくれたので、次回は内装も見てみたいと思います。


NEGOZIO VITRUM(ヴィトルムショップ。ブティックになっています)。コモの大聖堂のまん前にあるお店です。振り返るとドンとそびえる大聖堂の、イタリアゴシックのファサードとの対比が何とも言えません。



コモのメルカート。中は今も市場としてしっかり機能しています。 

他、湖畔を散歩し始めるとすぐに目に入るHotel Metropole Suisseもテラーニの作品。他にもコモ中心街のど真ん中の中心部にジュゼッペ・テラーニ財団があるだけあって(偶然にというか必然的に前を通り過ぎ気付きました)、少し足を伸ばせば他の作品もここコモにはわんさか存在しています。

 興味のある方は、コモ大聖堂の脇にあるインフォメーションにて、テラーニ建築物マップがもらえますので(2008年現在)寄ってみてはいかがでしょうか。

 

 帰りたいのに○○がなくて!

 車での帰り道、ガソリンがもうすぐ切れる事に気付きました。今頃気付くか?!と言うほど限りなく0に近いメーターに、夫婦共々小心者の私達は、いつ車が止まるかとちょっとドキドキしながら、やっと見付けたガソリンスタンドに入ったのです。が
 土日はスタンドの人もお休みなのか、お客が自分で給油する形を取っているスタンドがほとんどのこの国。そんな無人のスタンドに入るとこんな貼り紙が。“ESAURITO(売切れ)”“ガソリン、ブルーディーゼルは売り切れ、無鉛スーパーガソリンのみ販売中”…ガソリンスタンドで土日、ガソリンが売り切れって!アリなんでしょうか?!

 

参考ページ

http://www.arttowermito.or.jp/art/terragnij.html(水戸美術館テラーニ展覧会ページ)http://www.vis.it/giubileo/como_cattedrale.htm(コモ大聖堂)

5/01/2008

2008.5 魅惑のパッケージ

魅惑のパッケージ

産休と決め込んで行動範囲が狭まりつつある今日この頃。いけませんね。(と思っているのは私だけ?逆にアナタいつも危なっかしいんだからじっとしてなさい!と言われる方が多いといえば多い)せめて自分が住んでいる街、引っ越したばかりでまだ良く知らぬ土地を知っておこうと、晴れた日にはひょこひょこ歩き回っております。散歩ついでに今まで入ったことのないスーパーなどにも入ってみます。そして普段は目的の商品に直行するところ、じろじろとゆっくり陳列棚をながめてみると、なかなか面白い発見があるものです。

 かわいい~!そしてよく落ちる。 

可愛くてよく落ちるものってなーんだ?!それはNELSENの食器洗剤、Nelsen-ino(ちっちゃなネルセンとでも言いましょうか。私の苗字はiinoなので、これまた親しみを感じてしまいます)。企業ホームページを見てみると、可愛いし親しみがもてるデザインの上に詰め替えもできる、見たくなるし見せたくなる、シンクに隠しておく必要なし!という売り文句が。良いとこだらけですね。(ヘンケル社→http://www.henkel.com/cps/rde/xchg/henkel_iti/hs.xsl/94_ITI_HTML.htm
 パッケージにつられて購入しましたが、洗剤自体もドロットしていてお皿から油を落とすまでは離れないぞ!という意気込みが感じられ、なかなかのもの。企業戦略に素直にはまり、我が家では詰め替えもNELSENを使ってます。

 これはいわゆるパクリなのでしょうか? 

こんなチーズを見つけました。しかしロゴがイギリスの格安航空会社イージージェットeasyJetサイト→ http://www.easyjet.com/)にそっくり。若者をターゲットにしたチーズ(?!)ということで、裏面にはインターネットでチェージーサイトにアクセスしなさいとばかりに大きくURLが入っています。(チェージー→http://www.cheasy.it/)これは見ればイージージェットとのつながりがわかるか?と思い、アクセスするとどうなるかというと、ビデオ投稿とチャットの正に若者向きのお楽しみサイトに。ちなみに製造元はしっかりした乳製品の会社TRE VALLI(トレヴァッリ→http://www.lattetrevalli.it/it/product.asp?ID=50385)なので、味もクリームチーズのようでまろやか。パンやクラッカーにつけるとなかなかいけますよ。結局イージージェットはまったく関係ないみたいですが

 シンプル北欧お菓子。そしてこってり系パッケージのチーズ。

日本でもスウェーデン家具のIKEAは大変人気と聞きました。それはそうでしょう!シンプルでおしゃれでお安いと、三拍子そろってますから。勿論イタリアでも庶民の味方IKEA、オリジナルのお菓子にも見た目シンプル&味スタンダード=北欧デザインの香りが。日本のIKEAでもこれは購入できるのでしょうか?
 右の写真はスライスチーズ。すごい。よくやった!ここまでベタなイラスト(チロル風の帽子をかぶった女性)をガーンとこってり使われると、買わずにはいられません。お味は決して濃厚ではないシンプルなスライスチーズです。

 清潔感が大切な商品は、やはり爽やか系。

ジョンソンのベビーオイルは日本でも愛用しておりました。清々しい透明のパッケージにやわらかなフォルムは好感が持てますね。隣にあるのはペナテンという同じくジョンソンの更にデリケートな敏感肌ベビーのための商品。容器のデザインは同じなのですが、色とステッカーが変わるだけで、医薬品的な雰囲気にがらっと変わりますね。右の写真は重曹(bicarbonato)です。重曹ごときといえども、イタリアの家庭では大活躍。石灰分の多い水は洗濯物を黒っぽくしますし、水周りに白い塊や水滴の後を残します。それをササット取り除けるのがこの重曹。食べ過ぎのときには水に溶かして飲用、お風呂に入れれば水がやわらかくなってお肌すべすべと、大変優れもの。大量に使うものだけに、量販店などではむき出しの、コストを抑えたデザインなどお構いなしなパッケージに入っています。そんな訳であまりかっこいい箱に詰められたものは、今まで見たことがありませんでした。しかしこの商品は、(CONADというスーパーのブランド。)しっかり重曹を意識してまさに重曹のためのパッケージを心がけていますね。使い道をしっかり説明しながらもシンプル、清潔感あるデザインに仕上がっています。忘れかけていたデザインの基本を見たような気がして、好感が持てます。
 これから夏にかけてのよい季節。小銭を握って近所へのお散歩&ふらふら寄り道も、意外なアイデアに出会えたりしてなかなか良いものですよ。