visitors

11/20/2009

イタリアの祝日と請求書が届かない理由 其の弐

請求書の一件、実はこんなことが…

おくれにおくれた請求書、一体なぜ?

私たちが今回のお仕事をお願いしたのは、印刷所のおカシラ、つまり社長さんの
位置にある方でしたので、見積もりも彼しか出す事ができませんでした。
そしてなぜおくれたかの見解…

実は休暇明けに近い親族のご不幸があり、
更に数日後他の近い親族が入院、
そして数日後、また全く予期せぬ親族のご不幸が…。
(20代と若い親戚の男性、書棚の整理をしていた時に乗っていた梯子が倒れ、
 不運にも開いていた近くの窓から外に放り出されたとか!
 イタリアの古いお家は天井が高く、壁一面おしゃれな本棚や収納に
 なっているお家も良く見かけます。同じく窓も大きく、バルコニー
 は車道に面していたりすると小さいか柵があるだけという所も。)

驚きました。簡単に電話でご本人は語られたのですが、
実際はどんなにショックでしかし忙しく何も出来ない数週間を過ごされたのかと。

日本だったらどうだったかなぁ?

日本では有給休暇取りにくいって11月の
“其の壱”の記事に書きました。
親が危篤でもプロは仕事を休まないなんて話も
聞いた事があります。責任感の問題ですかね?
特に個人事業主は考える問題なのかもしれません。
ともあれ、日本で働いていた時は、
「人に許しを請う」事を恐れていました。
許してと言う前に「すみません!」っと先手を打った事もしばしば。
でも、自分の判断で正しい事をした場合は
“許してもらう”必要って実際はないんですよね。
理由がある。
説明して納得してもらうというのは、
許しを請うとは違う。


(写真はミラノのショーウィンドウ。もうクリスマス商戦真っただ中!クリスマス休暇は勿論あって当たり前の休暇でございます。)

人に迷惑をかけては(特に仕事先なんて自分にはねかえってきますから)いけないのは当たりまえなのですが、
“君がこれを今日ここまでにやらなくては駄目”という仕事でも、チームワークやフォローで抜け道があるときもあります。
理由を言って納得してもらう確率は、実際イタリアも日本も同じかもしれないと思うのですが
日本では、理由を言う=許しを請う=恥をかく(あえて書いてみると嫌な構図です。)
という感じで、おおいにそれを避けていたので、相手の反応を見る機会を逃していたかもしれません。

よく外国人はごめんと言わない。という話を聞きます。
その通りだと思うのですが、ごめんを言わないかわりに“理由”をどんどん言って相手を納得(許してもらう)
させているのは日常よく目にします。潔くないといったらそれまでですが、その方が良い場合も。

また、“ボクのせいじゃない”という言葉もよく耳にします。
これはまだちょっと慣れません。日本じゃ子供以外からは滅多に聞かないフレーズでしたので!!!

さて、請求書の件は、その社長のお話を聞いてみな納得。逆に同情、機会があったら
皆さんのためにお祈りをしましょうという感じで一件落着でした。

さて、こんな事があった場合、
みなさんは次回の発注も問題なく同じ印刷屋さんに頼みますか?

11/06/2009

イタリアの祝日と請求書が届かない理由 其の壱


11月1日は諸聖人の日で、イタリアでは祝日となる。
しかし今年その日は日曜日にあたってしまったので、
どうかしら?と思ったら、学校に勤めている夫は翌日お休みしていた。
どうやら振替休日になるらしいねっと思い、聞いてみると
“2日も死者の日だから休みじゃなかったっけ?”と言う。

死者の日は日本で言う所のお盆のようなものなので、
先祖のお墓参りが欠かせない。
先週近所の墓地の近くを車で通ったら、案の定、
少々渋滞していました。
しかし、近所の商店もスーパーもすべて通常営業なので
あれっ?と思ったら、
休みなのは学校だけらしい。うーん。

(イタリアのお墓参りのお花も菊がメイン。でも写真の花は近所の公園で摘んだものですが…)

何だか良く解らなくなって来たので、イタリアの祝日を、もう一度見直そうと思い検索をしたら、
産経ニュースの【外信コラム】イタリア便りの2009年1月の記事が
ヒットした。
記者の署名が、イタリアの文法を日本語で学んだ人は必ず持っている
現代イタリア文法”の坂本鉄男先生でまず驚く。
読んでみてまたビックリした。日本の祝日がイタリアのそれの倍以上あり、
タイトルはダイレクトに“怠け者の国?日本”となっている。
イタリア人は長期のバカンスを取ることで、何だか日本人にうらやましがられて
いる感がするのだが、それは有給休暇の正当な消費だからという事で関係なし。
祝日を制度で増やし、国が国民を怠け者にしたのだという締めくくり。
むむっ。私の回りには祝日もフル活動してる日本人が多いので、怠け者と言われて
もあまりピンと来ませんが。特にフリーで働いてる人は、カレンダーはあまり
関係ないので、イタリア人も日本人も家族サービスを除いて、自分の時間を
割いて内職したりしています。各家族の経済状況の違いも勿論あると思いますが…。

なぜ来ない?請求書

性格の違いというのもあるといえばある、有給休暇、病欠の取り方。
日本って何だかこれが取りにくくって、体調悪くても健康ドリンクで風邪薬を
流し込み、無理に会社に行って風邪をこじらせたりする人多くないでしょうか?
(私はこれでこじらせないで、治っちゃう幸運な体力の持ち主でしたが…)
祝日が減ってもいいから、病気の時は必ず休む法律を作った方が良い様な
気もしちゃいます。
イタリア人は結構ちゃんと休養する人多いですよ。言うなれば当然の権利なので。
所で、自己都合ってどこまで許されるのでしょう…

先日入稿を終え、印刷もあがって来たので、もうそのお仕事は記憶から
消しかかっていた所、一本の電話が。
“印刷の請求書が何度連絡してもまだ届かない!”
納品先からのこんなご連絡。素晴らしく丁寧にそして慎重に
仕事の出来る方なので、この電話の前にメールを入れ、電話を何度か入れ、
さらに手紙まで送ったとか。でも来ない。
“届かないなら払わなくっていいって事にしちゃう?”
なんて言いながらも、そういう訳にも行かないので
相棒にも担当者に直接連絡をいれてもらう。
(イタリア語で深いやり取りをするには自信が…ないので
 えております。そのうちやらねばいけないのです…がっ)

担当者はつかまらず、事務のお姉さんに、
翌日には必ず送ると言う約束を取り付ける。 がっ…

翌日朝になっても請求書が入らない。
昼になっても入らない。
電話をするが担当者がつかまらない。 何が起こってるのか?

夕方やっと直接担当者(といっても印刷所のおカシラです)と連絡が
取れ、次の日やっとの事で請求書が届いた。 
納品書は来なくとも、請求書だけは結構しっかり届く事が多いのに
どういう事?今回がはじめての発注じゃないので、
見積もり飛ばした請求書だったので焦りましたが…

“やぁ〜聞いてよ!実はね…Mr.”と相棒。 …(続く)