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4/01/2008

2008.4 イタリアのカレンダー

来年の事を言っても、鬼は笑わないでしょう。~ イタリアのカレンダー

ミラノサローネも521日で終了。国際見本市会場には27万人の入場者があったそうで、毎年異常(?!)なまでに規模が膨れ上がっている事を感じさせますね。今年は更に日本をはじめ東洋のデザイナーの注目度が高く、それと共にアジア企業の力の入れようもまたかなりのものだったかと。日本のデザインが、日本経済を潤し回復させるほどに外貨を持ってきてくれると良いですね。さて、そんな盛り上がっている街に繰り出したい気持ちを抑えてこの一週間を過ごしたMIRROメンバー。私事ですが、只今お腹ポッコリ出産1ヶ月前を迎えております。人込みはさすがに、それもタダナラヌ目的意識あふれる人々の中に飛び込んで、お腹をギュウギュウ押されたら堪ったものではございません!細菌感染もっての外、冷えも立ちっぱなしもダメですよと言われ続けて9ヶ月。やっとお医者様の言う事を聞いてミラノ中心には最終日にちょっと行ったきりです。チョットだけですよ。

 カレンダーはやっぱり秋からクリスマスにかけて配りたい。

ちょっと出かけたミラノでは、以前からお世話になっている修道院のシスターにお会いしてきました。まだ確定ではございませんが、修道会の来年のカレンダーのデザインをお引き受けしようかという事で、いくつか見本を作成しご提案。ご意見をまたこれから聞いて、テーマとデザインを決定、写真を集めていただき、テキストを作成してもらってから数点違うバージョンを作り上げていくのですが、バカンスシーズンの7、8月はないものと考え、他の仕事具合を見ながらも今から動くのが得策でしょう。2008年版のカレンダーは、昨年の12月に入ってやっと届いたそうで、発送作業も遅れ、手渡しのチャンスも限られ大変だったご様子。そんな事情を踏まえ、印刷会社もいくつかあたってアイミツ取るべきと考え中です。
 ところで今までこちらでお願いした(まだ数年の大変短い経験の中ではありますが)中小の印刷屋さん、どこも今ひとつ日本に比べると納期も長め、価格もお高い気がします。シルクや版画の職人魂を込めた印刷の場合は例外として、部数もそこそこで、地元で何とか片付けたい場合、街の小さなと言っても十分設備の整った印刷屋さんを気軽に使いたいもの。しかし、クオリティーまたは価格面でやっぱり今ひとつ。日本でお世話になっていた大中小の印刷会社さんと比べると、うーん、感動、感心した思いはあまりございません。ある印刷屋さんでは“ミラノ市内でオフセット印刷機の有害性を言われてね。今うちはこれよっ!と、おそらく私が日本人だからなのでしょうが、理想のオフィス用リソグラフの印刷機(日本では、すばやい社内印刷に良く使わせていただいてました。大変優れものです。しかし、使用目的が違う!)を秘密兵器ぞ!とばかりに見せられて、動揺したことがあります。デジタルだしクオリティーも良くなったとはいえ、細かな写真製版などが入った場合、この印刷屋さんは何と説明してお客を納得させるのでしょう。せめて価格設定は抑えてあるのだろうなと思いながら苦笑い。これは特例だったと思い直して、また開拓していかなければいけないですね。もしくは探りで丁稚奉公に赴いてみるとか。イタリアの印刷屋さん、深く知りたい所です。ミラノ近郊・レッコ、コモまで範囲を広げて安くて良い印刷屋さんご存知の方、情報お待ちしております。

ちょっと校正にも時間がかかっちゃいそうな。


イタリアでも日本と同様、年末には企業や商社、スーパーやそのほか小売店などでも得意先やお客さんにカレンダーを配るところがあります。極端な例を挙げれば大手タイヤメーカーのPIRELLIのカレンダーは、その写真家やコンセプトが毎年ニュースに取り上げられる程、注目度の高い企業アイテム。勿論一般人の私が手にする事なんて夢のまた夢。
 PIRELLIはともかく今まで頂いたカレンダー、どうもデザインがいまひとつ。写真やイラストがまま良ければ使いにくく、使いやすければ写真がイマイチ。せっかくもらっても壁にかける気がせず、やっぱり書店で新たに買い求めてしまう結果に。探せばきっと“これは!”という企業カレンダーに出会えるかとも思うのですが、デザイン業界以外の一般向けで、シンプルで使いやすく、クライアントが持ってきた低画質の写真を限界まで美しく見せている、そんな素晴らしい無料配布カレンダーとの出会いが、この年末あるとうれしいな。そしてそんなカレンダーを私達も提供できると良いんだけどね!と思いつつ。


 カレンダー作成において、日本ではなかったちょっと面倒なことがひとつ。それは、毎日その日の聖人の名前が必ず入っていること。日本だったら六曜(大安、仏滅等)が書き込まれているのと似ているといえば解かりやすいでしょうか。ただ六曜に比べて聖人名は長い。そして聖人は365人以上存在するので、その日付ごとに1人の聖人とは限らない。よって基準にする聖人カレンダーを決めて聖人名を落としていかなければなりません。名前も様々、さらにカトリックの大切な祝日はその祝日名を優先、復活祭は毎年変わる等々色々あるようで。イタリアや他カトリックを国教とする国では、その日の聖人名を持つ友人知人に、おめでとう!を言う習慣もあるので、面倒だからって取ってしまうわけにはいきません。一日一日が、その日の聖人にまつわる大切な祝日なのです。しかし校正にはいつもの三倍ぐらい、時間がかかってしまいそう

 

参考サイト:
2008
年版ピレリカレンダーhttp://www.pirelli.co.jp/web/company/media/communication/cal-08/default.page

写真1:ミラノサローネを回るなら、定番雑誌も買って目途をつけないと。今年のINTERNIの表紙は吉岡徳仁氏。JAPANデザイン満載!

写真2:イタリアの企業カレンダー、デザインも機能もイマイチな気が

写真3:カレンダーには必ずと言って良いほどその日の聖人名が!12月の例。