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12/01/2007

2007.12 クリスマス事情

Buon Natale! ミラノのクリスマス事情その2(一年越し!)』

はやいもので、2007年ももう終わりに近づいてまいりました。去年のこの時期も、AQUENTさんのブログにイタリアのクリスマス事情を書かせていただきましたね。ぐるりと回ってクリスマス。一年っていう時間も過ぎ去ってしまえばホントに“あ”っという間に思えるものですな。

 去年は突然舞い降りたお仕事で、クリスマス前までに納品の版画刷りに精を出していたMIRROですが、今年はクリスマス一週間前にMIRRO2が勤め先から風邪(イタリア人は本当によく風邪をひく…ような気がする)をもらってきたために、家に篭りっきり。おかげさまで実家にも帰れず、壮大なミサが行われるミラノ大聖堂(Duomo)にも、近所の教会にも行けず、ベッドの上で幸か不幸かこれまた突然入った内職と、おかゆディナーで静かなイブを過ごしております。

…それにしても、朝から毎時1発か2発ぐらいの割合で、爆竹の破裂音が何処からともなく聞こえるのには閉口です。中華街のように派手に“パパパパパ~ァァン!バリバリバリッ!!”と連続で点火してくれればこちらも「おぉっ!」っとその気になってくるのですが、“パァァァーン”と一発のみ。かえってドッキリ。心臓に悪いですよ。

プレゼント、もらいますかあげますか?

本日24日。中心街は相変わらずにぎやかなのでしょうが、住宅街は路駐の車もいつもより少なく、先ほど風邪には欠かせぬ!とリンゴを買いに行ったスーパーでも、いつもの混雑振りは見られませんでした。この時期は帰省するかもしくは学校も職場もほとんどお休みなので、家族全員で冬のヴァカンスに繰り出す方々が多いように思われます。『クリスマスは家族(身内)で、復活祭はどなたとでも(好きな人と)。(Natale con i tuoi, Pasqua con chi vuoi)』こんなフレーズをよく耳にするのですが、確かにクリスマスは家族、親戚そろって食卓を囲む家庭が今も多いようです。家族で過ごさないと子供達はクリスマスプレゼントがもらえないから?いえいえ、そんな事はないですよ。プレゼントは幼きイエス様(Gesù Bambino)が持って来てくれるのですから!

サンタクロースも今は一般的ですが、こちらでは、クリスマスプレゼントは幼きイエス様がロバに乗って持って来てくれるものなのだそうです。昔は窓辺にロバのために干草を少し置いておき、翌朝それがプレゼントに変わっているというプロセスもあったようですが、今は干草を手にいれるのはなかなか難しいかと。それはさて置きクリスマスはイエス様の誕生日。その本来の意味を考えると、こちらの方が断然説得力があります。この日に家族で過ごすというのも、聖家族がはじめて子・父・母と揃った日なのですから、これまたやっぱり納得。日本ではなんとなく、ケーキを食べてプレゼントをもらって嬉しい日で終わってしまっていたクリスマスですが、ここに来て納得することばかりです。やぁ、物事にはやはり起源があるものなのですよ~。(注:イタリアでも勿論ご家庭によっては、サンタさんがプレゼントを持って来てくれます。他にもプレゼントを持って来てくれる聖人やキャラクターが存在しますが…それはまた次の機会に。)

何事にも好奇心を持つことは大切!ならばプレゼントの起源は?お誕生日にプレゼントをもらうのなら、私達がイエス様にプレゼントをあげなければいけないのでは?なぜ親しい人にプレゼントを贈ったり、子供がプレゼントをもらったりする日になってしまったの?と、そんな疑問もフツフツとわいてきます。とにかくこちらミラノのプレゼント商戦は、サッカーの試合より激しいものがありますから。「やりすぎ、商業主義に偏りすぎは、勿論よくないけどね。」私の(正確には“皆の”です)師であり友人であり母のようでもあるシスターはこう言います。サンタクロースの起源になったと言われる聖ニコラウスが貧しい娘に金貨をプレゼントしたという話もその起源と言えますが、“イエス様ご自身が私達への贈り物である→頂いたこの大きな贈り物(喜び)を皆に分かち合いたい→プレゼントを親しい人へあげる習慣”という自然な公式が商業主義とうまく絡み合い、今の形になっているという考え方もある。と。またまたやっぱり納得。プレゼントを誰かにあげるとき、何を想像して選ぶのだろう、そしてあげるのだろう。喜んでほしいなという気持ちがなきゃ、プレゼントの意味って無に等しい。

心を込めて誰かにプレゼントを贈ったことはありますか?もらった瞬間ウレシイッて気持ちになりますか?

先週末、体調の悪さを怠け心のせいと思い込みながら無理やりミラノ大聖堂近くへ行った時、人ごみとイルミネーションがあまりにも凄かったので、負けじとシャッターを切ってみました。まさに今年からミラノ市としてイルミネーションを大改革するという試みがなされているようなのですが、成果はいかに?「週末ここらに来る人の大半は、ミラノ郊外から来ている人達だよ」と誰かが言っていました。皆イルミネーションを見に来た…わけではなく、両手いっぱいに紙袋をさげています。中身はプレゼントなのでしょうね。喜んでもらえるプレゼントを探すのは、大変だけど嬉しい、嬉しいけど疲れる。疲れながらもキラキラピカピカ光に溢れた夜景を見れば、また買い物する意欲が湧いてくる…ようならば、市のライトアップ大作戦も成功と言えるのかもしれません。

 

写真1:ガレリア内特設イルミネーション。幻想的なブルーです。

写真2:スカラ座前のイルミネーション。建物に天使のイメージが映写されています。

写真3VITTORIO EMAMUELEⅡ通りからミラノ大聖堂にかけて。 

写真4:ミラノ大聖堂と巨大クリスマスツリー。大聖堂のてっぺんの黄金のマリアのライティングはいつも通りですが、何よりも目立つように感じます。