visitors

8/01/2008

2008.08 頭隠して尻隠さず…

夏の散歩道

ミラノから車にて自宅へ移動中、ある地点で“頭隠して尻隠さずかぁ。”とひとりふとつぶやいている自分に気付きました。あれっ?なんでこんなことわざが浮かぶのか??次の日、また同じ道を通っているときにその理由を発見。大型スーパーの建設予定地を囲む壁面のイラストレーション!そのまた次の機会に同じ道を通ったとき、写真をパチリ。土の中に頭をつっこんでいる人々の変なイラストです。イラストの下に“IL BELLO è TUTTO SOTTO(良い事は全部下(見えない所)に)”と書いてあるので、もうすぐ完成するスーパー自体が良いもので、それが隠れたところにあるっていう意味?もうちょっとでお目見えするから待っててねっ!て感じなのでしょうか。どうやら頭隠してとはまったく関係なかったみたいです。ちなみに“頭隠して尻隠さず”のイタリア語バージョンはあるのか?と疑問に思い小学館日伊辞書をひいてみると、ありました。“fare come struzzo, nascondere la testa nella sabbia(ダチョウの様に、頭を砂の中に隠す)”しかし問題をやりすごすという意味で使われるようなので、これまた日本のことわざとはちょっと違う様。

 馬車で登れない道?

車での移動中、一瞬にして過ぎ去る景色や標識について、じっくりと考えをめぐらす事は難しいものです。ましてアナタが運転手だったりしたら、ぼっと考えたり何かを見つめて振り返ったりなんて危険すぎる!ところで、うちにはもうすぐ4ヶ月になる元気な長男が居ります。毎朝のお散歩はよく親の都合で変更してしまうことが多いのですが、この夏は、近所はもちろん車にベビーカーを積んでちょっと遠出してのお散歩など、お散歩コース開拓を試みております。彼はベビーカーに乗ると数分後には夢の中なのですが、私や夫はとにかく、一時間もしくはそれ以上、黙々と歩き続けます。歩きながら本を読むわけにも、仕事をするわけにもいきませんから自然と道端観測に力が入り、車と違って立ち止まったり、何か興味深いものがあったらじっくり観察したり考えたりする事も。先日Barzioという、日本で言うと軽井沢のような避暑地に友人をたずねて行ったときも、夕方はやっぱりお散歩。Barzioは山の上の街なので急斜面が多く、舗装された道路もきつい坂になっている箇所があります。そんなところで見付けた交通標識馬車禁止!ですか?!急すぎてひっくりかえっちゃうのでしょうか。幸いにもベビーカー禁止というのは、まだ見たことはありません。

こちらに来てから、トレッキングが好きという人に数多く出会いました。“妊娠中も大きなお腹で山に栗拾いにいったわ~”“生後3ヶ月の子供をリュック型のおんぶ紐で背負って山に登ったよ!”なんて話も聞きました。山で足を滑らせて怪我をしたという話もまたよく聞きます。そんな背景もあるのか先日のお散歩道では、パーキングマークの標識に、山歩き姿のピクト君を発見。P+登山客という事は、登山客専用パーキングなのか、パーキングだけど登山客用のスペースもあるよって事なのか(椅子や水道があったので)ちょっとわかりづらいマークです。そしてお散歩好きには欠かせない遊歩道。さすがイタリアは自転車愛好家人口も多いので、左人間、右は自転車というサインをよく見かけます。しかし大概みんな真ん中を歩いたり走ったりするので、サインは無視されがち。自転車もスポーツサイクル、家族全員マウンテンバイク、そしてママチャリの学生まで様々。先日見かけたボロチャリ叔父さんは、上半身裸で、かごの中には使い古したスーパーの袋とボリュームを最大にしたラジオ。イタリアのカンツォーネをバリバリに流しながら、同じ道を何度か往復しているようでした。お散歩に、人間ウォッチングはやはり欠かせませんね。興味深い人材を見かけると、二人以上でのお散歩の場合は、職業当て、人生予想ゲームにまで会話が発展したりします。

 標識は誰が整備するの?

壊れている信号機、青信号の真ん中に変なステッカーがいたずらで貼られちゃっている信号機、黄色の点滅信号だけど、何でそこに設置されたのかわからない信号、ねじれた行き先表示の看板、道端に捨てられた(?)進入禁止の標識、見ると混乱して事故をおこしそうに感じるミラー(!)などを見かけた事が何度かあります。何度か通っている散歩道でも、3度目ぐらいにやっと気付いた一方通行の標識が。いつの間にか後ろの木が育ってしまったのか、木に負けないような高さで設置してみたのかわかりませんが、この道の一方通行標識はこれひとつのみ。秋になり、冬が来たら葉が落ちてよく見えるようになるから放置というわけでもなさそうです。一方通行が多いイタリアの街中。逆走やスーパーバック(バックで10m以上ぎゅんと走る人を何度か見かけたことが!)での走行には、くれぐれも気をつけてくださいね。

 

写真
写真1:建設現場を覆うイラスト。
写真2
:はじめてみた交通標識馬車禁止!
写真3:Barzioは急斜面が多いので、ベビーカーも独特な走法を(?!)。もしくはベビーは担いで。
写真4:左:パーキング+登山客。 中:遊歩道。左は人で右はチャリ。右:一方通行標識が、木に隠されている。