

魅惑のパッケージ
産休と決め込んで行動範囲が狭まりつつある今日この頃。いけませんね。(と思っているのは私だけ?逆にアナタいつも危なっかしいんだからじっとしてなさい!と言われる方が多いといえば多い…)せめて自分が住んでいる街、引っ越したばかりでまだ良く知らぬ土地を知っておこうと、晴れた日にはひょこひょこ歩き回っております。散歩ついでに今まで入ったことのないスーパーなどにも入ってみます。そして…普段は目的の商品に直行するところ、じろじろとゆっくり陳列棚をながめてみると、なかなか面白い発見があるものです。
かわいい~!そしてよく落ちる。

可愛くてよく落ちるものってなーんだ?!それはNELSENの食器洗剤、Nelsen-ino(ちっちゃなネルセンとでも言いましょうか。私の苗字はiinoなので、これまた親しみを感じてしまいます)。企業ホームページを見てみると、可愛いし親しみがもてるデザインの上に詰め替えもできる、見たくなるし見せたくなる、シンクに隠しておく必要なし!という売り文句が。良いとこだらけですね。(ヘンケル社→http://www.henkel.com/cps/rde/xchg/henkel_iti/hs.xsl/94_ITI_HTML.htm)
パッケージにつられて購入しましたが、洗剤自体もドロットしていてお皿から油を落とすまでは離れないぞ!という意気込みが感じられ、なかなかのもの。企業戦略に素直にはまり、我が家では詰め替えもNELSENを使ってます。
これはいわゆるパクリなのでしょうか?

こんなチーズを見つけました。しかしロゴがイギリスの格安航空会社イージージェット(easyJetサイト→ http://www.easyjet.com/)にそっくり。若者をターゲットにしたチーズ(?!)ということで、裏面にはインターネットでチェージーサイトにアクセスしなさいとばかりに大きくURLが入っています。(チェージー→http://www.cheasy.it/)これは見ればイージージェットとのつながりがわかるか?と思い、アクセスするとどうなるかというと、ビデオ投稿とチャットの正に若者向きのお楽しみサイトに。ちなみに製造元はしっかりした乳製品の会社TRE VALLI(トレヴァッリ→http://www.lattetrevalli.it/it/product.asp?ID=50385)なので、味もクリームチーズのようでまろやか。パンやクラッカーにつけるとなかなかいけますよ。結局イージージェットはまったく関係ないみたいですが…。
シンプル北欧お菓子。そしてこってり系パッケージのチーズ。

日本でもスウェーデン家具のIKEAは大変人気と聞きました。それはそうでしょう!シンプルでおしゃれでお安いと、三拍子そろってますから。勿論イタリアでも庶民の味方IKEA、オリジナルのお菓子にも見た目シンプル&味スタンダード=北欧デザインの香りが。日本のIKEAでもこれは購入できるのでしょうか?
右の写真はスライスチーズ。すごい。よくやった!ここまでベタなイラスト(チロル風の帽子をかぶった女性)をガーンとこってり使われると、買わずにはいられません。お味は…決して濃厚ではないシンプルなスライスチーズです。
清潔感が大切な商品は、やはり爽やか系。

ジョンソンのベビーオイルは日本でも愛用しておりました。清々しい透明のパッケージにやわらかなフォルムは好感が持てますね。隣にあるのはペナテンという同じくジョンソンの更にデリケートな敏感肌ベビーのための商品。容器のデザインは同じなのですが、色とステッカーが変わるだけで、医薬品的な雰囲気にがらっと変わりますね。右の写真は重曹(bicarbonato)です。重曹ごときといえども、イタリアの家庭では大活躍。石灰分の多い水は洗濯物を黒っぽくしますし、水周りに白い塊や水滴の後を残します。それをササット取り除けるのがこの重曹。食べ過ぎのときには水に溶かして飲用、お風呂に入れれば水がやわらかくなってお肌すべすべと、大変優れもの。大量に使うものだけに、量販店などではむき出しの、コストを抑えたデザインなどお構いなしなパッケージに入っています。そんな訳であまりかっこいい箱に詰められたものは、今まで見たことがありませんでした。しかしこの商品は、(CONADというスーパーのブランド。)しっかり重曹を意識してまさに重曹のためのパッケージを心がけていますね。使い道をしっかり説明しながらもシンプル、清潔感あるデザインに仕上がっています。忘れかけていたデザインの基本を見たような気がして、好感が持てます。
これから夏にかけてのよい季節。小銭を握って近所へのお散歩&ふらふら寄り道も、意外なアイデアに出会えたりしてなかなか良いものですよ。
来年の事を言っても、鬼は笑わないでしょう。~ イタリアのカレンダー

ミラノサローネも5月21日で終了。国際見本市会場には27万人の入場者があったそうで、毎年異常(?!)なまでに規模が膨れ上がっている事を感じさせますね。今年は更に日本をはじめ東洋のデザイナーの注目度が高く、それと共にアジア企業の力の入れようもまたかなりのものだったかと。日本のデザインが、日本経済を潤し回復させるほどに外貨を持ってきてくれると良いですね。さて、そんな盛り上がっている街に繰り出したい気持ちを抑えてこの一週間を過ごしたMIRROメンバー。私事ですが、只今お腹ポッコリ出産1ヶ月前を迎えております。人込みはさすがに、それもタダナラヌ目的意識あふれる人々の中に飛び込んで、お腹をギュウギュウ押されたら堪ったものではございません!細菌感染もっての外、冷えも立ちっぱなしもダメですよと言われ続けて9ヶ月。やっとお医者様の言う事を聞いてミラノ中心には最終日にちょっと行ったきりです。チョットだけですよ。
カレンダーはやっぱり秋からクリスマスにかけて配りたい。
ちょっと出かけたミラノでは、以前からお世話になっている修道院のシスターにお会いしてきました。まだ確定ではございませんが、修道会の来年のカレンダーのデザインをお引き受けしようかという事で、いくつか見本を作成しご提案。ご意見をまたこれから聞いて、テーマとデザインを決定、写真を集めていただき、テキストを作成してもらってから数点違うバージョンを作り上げていくのですが、バカンスシーズンの7、8月はないものと考え、他の仕事具合を見ながらも今から動くのが得策でしょう。2008年版のカレンダーは、昨年の12月に入ってやっと届いたそうで、発送作業も遅れ、手渡しのチャンスも限られ大変だったご様子。そんな事情を踏まえ、印刷会社もいくつかあたってアイミツ取るべきと考え中です。
ところで今までこちらでお願いした(まだ数年の大変短い経験の中ではありますが)中小の印刷屋さん、どこも今ひとつ日本に比べると納期も長め、価格もお高い気がします。シルクや版画の職人魂を込めた印刷の場合は例外として、部数もそこそこで、地元で何とか片付けたい場合、街の小さな…と言っても十分設備の整った印刷屋さんを気軽に使いたいもの。しかし、クオリティーまたは価格面でやっぱり今ひとつ。日本でお世話になっていた大中小の印刷会社さんと比べると、うーん、感動、感心した思いはあまりございません。ある印刷屋さんでは“ミラノ市内でオフセット印刷機の有害性を言われてね。今うちはこれよっ!”と、おそらく私が日本人だからなのでしょうが、理想のオフィス用リソグラフの印刷機(日本では、すばやい社内印刷に良く使わせていただいてました。大変優れものです。しかし、使用目的が違う!)を秘密兵器ぞ!とばかりに見せられて、動揺したことがあります。デジタルだしクオリティーも良くなったとはいえ、細かな写真製版などが入った場合、この印刷屋さんは何と説明してお客を納得させるのでしょう。せめて価格設定は抑えてあるのだろうな…と思いながら苦笑い。これは特例だったと思い直して、また開拓していかなければいけないですね。もしくは探りで丁稚奉公に赴いてみるとか。イタリアの印刷屋さん、深く知りたい所です。ミラノ近郊・レッコ、コモまで範囲を広げて安くて良い印刷屋さんご存知の方、情報お待ちしております。

ちょっと校正にも時間がかかっちゃいそうな。
イタリアでも日本と同様、年末には企業や商社、スーパーやそのほか小売店などでも得意先やお客さんにカレンダーを配るところがあります。極端な例を挙げれば大手タイヤメーカーのPIRELLIのカレンダーは、その写真家やコンセプトが毎年ニュースに取り上げられる程、注目度の高い企業アイテム。勿論一般人の私が手にする事なんて夢のまた夢。
PIRELLIはともかく今まで頂いたカレンダー、どうもデザインがいまひとつ。写真やイラストがまま良ければ使いにくく、使いやすければ写真がイマイチ。せっかくもらっても壁にかける気がせず、やっぱり書店で新たに買い求めてしまう結果に。探せばきっと“これは!”という企業カレンダーに出会えるかとも思うのですが、デザイン業界以外の一般向けで、シンプルで使いやすく、クライアントが持ってきた低画質の写真を限界まで美しく見せている、そんな素晴らしい無料配布カレンダーとの出会いが、この年末あるとうれしいな。そしてそんなカレンダーを私達も提供できると良いんだけどね!と思いつつ。
カレンダー作成において、日本ではなかったちょっと面倒なことがひとつ。それは、毎日その日の聖人の名前が必ず入っていること。日本だったら六曜(大安、仏滅等)が書き込まれているのと似ている…といえば解かりやすいでしょうか。ただ六曜に比べて聖人名は長い。そして聖人は365人以上存在するので、その日付ごとに1人の聖人とは限らない。よって基準にする聖人カレンダーを決めて聖人名を落としていかなければなりません。名前も様々、さらにカトリックの大切な祝日はその祝日名を優先、復活祭は毎年変わる等々色々あるようで。イタリアや他カトリックを国教とする国では、その日の聖人名を持つ友人知人に、おめでとう!を言う習慣もあるので、面倒だからって取ってしまうわけにはいきません。一日一日が、その日の聖人にまつわる大切な祝日なのです。しかし校正にはいつもの三倍ぐらい、時間がかかってしまいそう…。
参考サイト:
2008年版ピレリカレンダーhttp://www.pirelli.co.jp/web/company/media/communication/cal-08/default.page
写真1:ミラノサローネを回るなら、定番雑誌も買って目途をつけないと。今年のINTERNIの表紙は吉岡徳仁氏。JAPANデザイン満載!
写真2:イタリアの企業カレンダー、デザインも機能もイマイチな気が…。
写真3:カレンダーには必ずと言って良いほどその日の聖人名が!12月の例。
野菜のフォルムからデザインのアイデアを。魅惑の蕾、カルチョーフォ
いよいよ春も本番。イタリアでも街路に桜や梅(といっても日本の梅は、手に入らない様で杏やプルーンの樹である確立が高い)、そしてミモザが咲き誇り、メルカートの雰囲気も街の色も明るくなってまいりました。ミラノサローネへご出発の皆さんは、準備OKですか?今年は航空券も高く、それなのにホテルの予約も更に困難だという話を聞きました。見本市会場の外、あんなに空いたスペースがあるのだから、キャンピングカーをみっちり停めて簡易キャンプ場にすればどんなに儲かる…いや、若いデザイナーさん達が助かるか…なんて考えるのは私だけでしょうか?
春野菜に心ときめく
ここまで書きながら、手をしばし止め、近所の八百屋に行ってまいりました。今本棚が足りず、しかし買うと高いだけで部屋にあわないので、MIRRO2号の提案で果物の木箱を八百屋兼果物屋に行ってもらって来るという計画を実行しております。親切な八百屋さんは“3月に入ればアルゼンチン梨が入ってくるけど、その箱ならすごく丈夫で本棚にぴったりよ!”と助言をしてくれ、更に木箱を取っておいてくれました。見たらホントに素晴らしい箱ではないですか!MIRRO2号による本棚ができましたらまたご報告いたしましょう。
さて、京都に京野菜があるように、見知らぬ土地に行くと知らない野菜や果物と出会う事が大いにありますね。冬から今の時期にかけて、こちらで良く見られる野菜のひとつにカルチョーフォがあります。朝鮮アザミの食用改良種だそうで、花の巨大な蕾と、その下の茎の部分を食べます。日本にはアメリカから入って来たのかな?アーティーチョークの名前で知られているけれど、お値段も高いのであまり馴染みのない野菜です。しかしこれが、私にとっては病みつきになる美味しさ。今日もまた、ついつい買って来てしまいました。
味もフォルムも芸術的
カルチョーフォの形、近いものを表現しなさいと言われれば、蓮の花の蕾でしょうか…。ランプのデザインを探しているとき、美しい蓮型ランプを見た記憶がありますが、調べると、どうやらMATERIALISE.MGXのデザイナー作品だったようです。しかし、どちらかと言うとLilyというランプの方がカルチョーフォに似ているような。去年のサローネサテライトでも、花や自然をテーマにした作品が多数ありました。しかし“カルチョーフォは食べる物”という執拗な目的から、私にとっては花ではなくあくまでも“野菜”美しく美味しい野菜なのです。
そんな美しい野菜からアイデアを得、デザインを起こした有名デザイナーが存在します。大御所ポール・ヘニングセン(デンマーク1894-1967)。ルイスポールセン社と共同で数多くの照明デザインを手がけています。カルチョーフォ型のランプは“PH Artichok”(同社の素晴らしいホームページがあるのでぜひ拡大したり、縮小したりして見てください。下記にリンクをしています)、実際に何枚花びらがあるのか数えた…とは書いていませんが、じっくり観察し研究し生まれた作品であることは、作品自体が物語っています。他にも記憶力を全開にしてみると、デザインの中にも名画の中にもカルチョーフォ…きりがありませんカルチョーフォで本が一冊書けるかも?重いながら食欲も湧いてきます。
二種類の蕾、味も形も違います。
さて、本物のお野菜のカルチョーフォですが、ロマーノ又はマンモレ(辞書で引くとスミレの意味なのですが、八百屋ではこう呼んでいる)と呼ばれる丸っこい花びらのものと、スピノーゾと呼ばれるトゲの付いているものの二種類が見られます。実際は更に細かく種類が分かれるようですが、この2つを押さえていればまずはカルチョーフォ中級者。形から見ると、ヘニングセンのランプはカルチョーフォロマーノのイメージなのでしょう。

スピノーゾは特に棘が痛いので、調理の下ごしらえでは、やわらかい花びらが出るまで用心深く外の花びらをはがした上、頭の部分をちょん切って、更に半分に割り、中の綿のようなシベを取り除きます。灰汁もすごいので手が汚れますし、しばらく小麦粉を溶かした水につけねばなりません。生でも食べられますが、くたくたになるまでジャガイモや鶏肉と煮る、オーブンで焼くとホクホクした歯ごたえがたまりません。リゾットもスープもこれまた美味!家で調理する場合は、この喜びの瞬間にたどり着くまでが、なかなか大変なのですが…。
この春ミラノ(と言わずイタリアならどこでも。イタリア以外でも機会があったらぜひ!)に来て、メニューに困ったら、「クアルシアシ、ピアット、ディ、カルチョーフォ~!(何かしらカルチョーフォの料理を~!)」と言ってみてください。売り切れていない限りは、何かしらおいしい一皿が出てくるかと。
〔参照ホームページ〕
Louis Poulsen
http://www.louispoulsen.com/in/Designers/Poul%20Henningsen.aspx
PH Artichokのページ
http://www.louispoulsen.com/in/Product/Pendants/PH%20Artichoke.aspx?description=
MATERIALISE.MGX、LOTUSとLILY
http://www.materialise.com/materialise/view/en/114997-Lotus.MGX.html
http://www.materialise.com/materialise/view/en/557533-Lily.MGX.html
時間をかけて修復中のミラノの隠れた宝。
確かにこのエコパス、エコという名前が付く限りはその目的をちゃんと果たすようになってほしいものです。ミラノから少し離れると、確かに空の色が違うような感じがします。建物の壁が同じ材質でも、ミラノのそれほど灰色がかっていないような感じを受けます。過去ミラノ名物であった霧は、一歩前が見えなくなるほどのレベルでめったにこの都市を覆いつくすことはありません。やっぱりミラノの汚染はどうにかしていただきたい問題なのであります!特に歴史的な建造物の保護に、大気汚染って相当なダメージを与えてるのは明らかですよね。何年にも渡って修復が行われているミラノ大聖堂も、磨いた所は美しい大理石の色がまぶしいのですが、古い部分はホントに灰色。修復をはじめたスタートの部分は(それがどこかは知らないのですが!)きっと今、すでに少しずつ黒ずんできているのではないでしょうか?そうだとしたら、この修復って永遠に終わらない大事業になっちゃいますよね~なんて考えたりもして。
そんなグレーな街、ミラノ。イタリア人でもミラノに観光で行くのはナンセンスだ、なぜなら“ミラノは“大聖堂”を見ればあとは買い物だけだものね~”なんて言ってる人がいます。でもまってちょーだい。結構見所はあるのですよ。その一例を今日はちょっとだけご紹介します。微妙に有名なので既にご存知の方もいらっしゃるかと!
サン・マウリツィオ教会 ~Chiesa di San Maurizio al Monastero Maggiore
この1500年代に建築された素晴らしい教会は、とってもアクセスの良いMagenta通りに位置します。ミラノサーローネに行ったことのある方には、きっと馴染み深い乗り継ぎ駅のカドルナから徒歩数分。外装は大変地味ですが、お隣に考古学博物館(以前は修道院の建物だった)があるので発見しやすいかと。なんと言ってもこの教会にはルネッサンスの巨匠、ミラノ、ロンバルディア州ゆかりの画家ベルナルディーノ・ルイーニBernardino Luini(1480-1532)の作品があるのです。教会内にはルイーニ他多くの画家によるフレスコ、油画等が盛りだくさん!ごそっと壁面を覆いつくしています!話はそれますが、私がイタリアに来てはじめてきちんとルイーニの作品を見たのは、何故かイタリアではなくミラノから電車で二時間ほどのスイスの湖畔の町ルガーノのSanta Maria degli Angeli教会でした。“十字架の道行”を描いた大作、絵が教会の中にあるのか教会が絵を覆っているのか解からなくなるほど、その存在感は凄まじく、随分長い間ボーっと眺めてしまった事を覚えています。
サン・マウリツィオ教会、いまだ修復中なので、一歩教会に足を踏み入れるとすぐに修復のための足場が絵の前に立ちはだかっております。しかし諦めないで、しぶとくその隙間をぬってほぼ全部の絵を見ることは可能です。それら足場に遮られ、さらに奥にまだ見所(l'Aula delle Monache)がある事を忘れてはいけません。奥に入ってすぐ目に入る部分、いわゆる正面には星空の中心に神が描かれ、周囲に四福音史家(福音書記者)と天使のイメージがあり、突然パッと目前に銀河が広がるような気分になります。

さらにその外側には受胎告知のイメージが描かれているのですが、天使ミカエルが左端、聖母マリアが右端のぎりぎりの所に配置されているので、お互いの距離が大変遠い!(うんと離れて今一度全体を見る事をお勧めします。)遠くはなれているけれど、天使側からマリアに向かう小さな天使がいたり、両者の微妙な動きがお互い呼応するように工夫されていたりと、つながりがよくわかる様に描かれていて大変面白い作品です...と、前方だけではなく後方にも見逃せない“最後の晩餐”や“ノアの箱舟”を描いた部分がありますので、閉館時間ぎりぎりではなく、じっくりゆっくり鑑賞できるように余裕を持って訪れる事をお勧めいたします。時折無料コンサートなども行われるそうなので、運良くあたったらこれまたしめたものですね。

ミラノの教会はミラノ大聖堂とサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会を見れば十分!と思っている方、この他にもまだまだ隠れた見所がありますよ!ぜひ一度、素通りせず、ミラノにもじっくり腰を落ち着けて滞在してみてくださいな。
【サン・マウリツィオ教会 Chiesa di San Maurizio】
マジェンタ大通りCorso Magenta 15
地下鉄カドルナCadorna駅下車
開館日時:火-日9:00-12:00、14:00-17:30 月曜日:休館
※2007年12月の時点では上記の開館時間でした。祝日やコンサートなどの時、もしくは修復具合や夏冬と、時間が変更する可能性があるのでインフォメーション等でご確認くださいね。
Wikipediaにサン・マウリツィオ教会の記事があります。http://it.wikipedia.org/wiki/Chiesa_di_San_Maurizio_al_Monastero_Maggiore

【お知らせ】
翻訳をお手伝いした本が出版されました。公害について今回触れたので、ちょっと関わる部分があるかも?(無理やりです…ね。)都市計画に興味のある方にはお勧めです。
「都市を癒す術」ピエル・ルイジ・チェルヴェッラーティ (著)
http://www.jbook.co.jp/p/p.aspx/3498177/s/
写真1:左:教会内、現在修復中。中:教会奥へ行くにはこのアーチをくぐります。右:神、福音書記者、天使の壁画。
写真2:ノアの箱舟。とても具体的に描かれています。
写真3:最後の晩餐です。(レオナルドではないですよ!)
『Buon Natale! ミラノのクリスマス事情その2(一年越し!)』
はやいもので、2007年ももう終わりに近づいてまいりました。去年のこの時期も、AQUENTさんのブログにイタリアのクリスマス事情を書かせていただきましたね。ぐるりと回ってクリスマス。一年っていう時間も過ぎ去ってしまえばホントに“あ”っという間に思えるものですな。
去年は突然舞い降りたお仕事で、クリスマス前までに納品の版画刷りに精を出していたMIRROですが、今年はクリスマス一週間前にMIRRO2が勤め先から風邪(イタリア人は本当によく風邪をひく…ような気がする)をもらってきたために、家に篭りっきり。おかげさまで実家にも帰れず、壮大なミサが行われるミラノ大聖堂(Duomo)にも、近所の教会にも行けず、ベッドの上で幸か不幸かこれまた突然入った内職と、おかゆディナーで静かなイブを過ごしております。
…それにしても、朝から毎時1発か2発ぐらいの割合で、爆竹の破裂音が何処からともなく聞こえるのには閉口です。中華街のように派手に“パパパパパ~ァァン!バリバリバリッ!!”と連続で点火してくれればこちらも「おぉっ!」っとその気になってくるのですが、“パァァァーン”と一発のみ。かえってドッキリ。心臓に悪いですよ。

プレゼント、もらいますかあげますか?
本日24日。中心街は相変わらずにぎやかなのでしょうが、住宅街は路駐の車もいつもより少なく、先ほど風邪には欠かせぬ!とリンゴを買いに行ったスーパーでも、いつもの混雑振りは見られませんでした。この時期は帰省するかもしくは学校も職場もほとんどお休みなので、家族全員で冬のヴァカンスに繰り出す方々が多いように思われます。『クリスマスは家族(身内)で、復活祭はどなたとでも(好きな人と)。(Natale con i tuoi, Pasqua con chi vuoi)』こんなフレーズをよく耳にするのですが、確かにクリスマスは家族、親戚そろって食卓を囲む家庭が今も多いようです。家族で過ごさないと子供達はクリスマスプレゼントがもらえないから?いえいえ、そんな事はないですよ。プレゼントは幼きイエス様(Gesù Bambino)が持って来てくれるのですから!
サンタクロースも今は一般的ですが、こちらでは、クリスマスプレゼントは幼きイエス様がロバに乗って持って来てくれるものなのだそうです。昔は窓辺にロバのために干草を少し置いておき、翌朝それがプレゼントに変わっているというプロセスもあったようですが、今は干草を手にいれるのはなかなか難しいかと。それはさて置きクリスマスはイエス様の誕生日。その本来の意味を考えると、こちらの方が断然説得力があります。この日に家族で過ごすというのも、聖家族がはじめて子・父・母と揃った日なのですから、これまたやっぱり納得。日本ではなんとなく、ケーキを食べてプレゼントをもらって嬉しい日で終わってしまっていたクリスマスですが、ここに来て納得することばかりです。やぁ、物事にはやはり起源があるものなのですよ~。(注:イタリアでも勿論ご家庭によっては、サンタさんがプレゼントを持って来てくれます。他にもプレゼントを持って来てくれる聖人やキャラクターが存在しますが…それはまた次の機会に。)

何事にも好奇心を持つことは大切!ならばプレゼントの起源は?お誕生日にプレゼントをもらうのなら、私達がイエス様にプレゼントをあげなければいけないのでは?なぜ親しい人にプレゼントを贈ったり、子供がプレゼントをもらったりする日になってしまったの?と、そんな疑問もフツフツとわいてきます。とにかくこちらミラノのプレゼント商戦は、サッカーの試合より激しいものがありますから。「やりすぎ、商業主義に偏りすぎは、勿論よくないけどね。」私の(正確には“皆の”です)師であり友人であり母のようでもあるシスターはこう言います。サンタクロースの起源になったと言われる聖ニコラウスが貧しい娘に金貨をプレゼントしたという話もその起源と言えますが、“イエス様ご自身が私達への贈り物である→頂いたこの大きな贈り物(喜び)を皆に分かち合いたい→プレゼントを親しい人へあげる習慣”という自然な公式が商業主義とうまく絡み合い、今の形になっているという考え方もある。と。またまたやっぱり納得。プレゼントを誰かにあげるとき、何を想像して選ぶのだろう、そしてあげるのだろう。喜んでほしいなという気持ちがなきゃ、プレゼントの意味って無に等しい。
心を込めて誰かにプレゼントを贈ったことはありますか?もらった瞬間ウレシイッて気持ちになりますか?

先週末、体調の悪さを怠け心のせいと思い込みながら無理やりミラノ大聖堂近くへ行った時、人ごみとイルミネーションがあまりにも凄かったので、負けじとシャッターを切ってみました。まさに今年からミラノ市としてイルミネーションを大改革するという試みがなされているようなのですが、成果はいかに?「週末ここらに来る人の大半は、ミラノ郊外から来ている人達だよ」と誰かが言っていました。皆イルミネーションを見に来た…わけではなく、両手いっぱいに紙袋をさげています。中身はプレゼントなのでしょうね。喜んでもらえるプレゼントを探すのは、大変だけど嬉しい、嬉しいけど疲れる。疲れながらもキラキラピカピカ光に溢れた夜景を見れば、また買い物する意欲が湧いてくる…ようならば、市のライトアップ大作戦も成功と言えるのかもしれません。
写真1:ガレリア内特設イルミネーション。幻想的なブルーです。
写真2:スカラ座前のイルミネーション。建物に天使のイメージが映写されています。
写真3:VITTORIO EMAMUELEⅡ通りからミラノ大聖堂にかけて。
写真4:ミラノ大聖堂と巨大クリスマスツリー。大聖堂のてっぺんの黄金のマリアのライティングはいつも通りですが、何よりも目立つように感じます。